短編だったりシリーズっぽかったり
□変態は女装がお好き！？
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某月某日
「ぶ・・・くくくく・・・」
オレはイケメンなんだけど、つくづく残念な変態に・・・盛大に爆笑されていた。
「あーはっはっはっは！マジ似合わない！まさかここまでとは！」
「うっせー！こんなもん似合ってたまるかー！！」
何を隠そう、オレは何故かチアリーダーの服を着ているのだ。
もちろん女物。ご丁寧に両手にポンポンと、大して長くもない髪を無理やり両サイドでくくられて・・・
オレにこんな恰好をさせたド変態は、この格好を見た瞬間からずーっと笑い転げて涙まで流してやがる。
「だって！だって・・・ぶくくく・・・こういうのって、定番じゃん？コスプレでさ、マンネリ防止とかって・・・なのに・・・なのに、こんなに似合わないとか意味ねえし！」
「うっせーつってんだろーが！大体男に女装させて似合うだの似合わねえだの、ま、マンネリ防止？とか、なるわけねえだろうが！」
大人しく着たオレもオレだが、ここまで腹抱えて大爆笑しなくてもいいじゃねえか！
きっちりハイソックスまで履いた足でジタバタと暴れるが、この変態にはちっとも届かない！
ひいひい笑い転げてた変態がヨロヨロと起き上ると、ふるふる震えながら涙を拭いつつ、グッとオレに向けて親指を立てる。
「斜め上の展開に向かわせる、さすがは卓巳だ！」
「馬鹿にしてんのか！」
「褒めてんだろ？」
「どこがだよ！」
「いやあ、だってさあ、こんな薄い生地で乳首なんか見え放題なのに、陥没乳首だから案の定見えないとか」
「うわっ、てめ、陥没って言うんじゃねえ」
「裾も短いから腹ちらするのに、あばら骨が浮いた貧相な体じゃむしろ心配になるし」
「う、ううううるせえ、そう言いながら触んじゃねえ」
「ミニスカートから覗く足って、サイコーにエロイもんなのに・・・これだしなあ」
「悪かったなあ！だったら脱いでやらあ！！」
けなしながら体を触られて、笑いながらおちょくられてるのに、何だかエロイ手つきに体がいちいち反応するのが恨めしい。
これ以上醜態を晒してなるものか！
グッとシャツの裾を両手で持つと、変態が目を丸くした。
「おお、自分から全裸になるんだ。ダイッタ〜ン」
「は、は！？ぜ、全裸になんかなるわけねえだろ？？ち、ちゃんとパンツ・・・パンツ・・・」
パンツ・・・？
そう言えば、着替える時に変態の口車に乗ってホイホイパンツを脱いだんだったー！
ミニスカートからトランクスが覗いてたらみっともないとかなんとか言われて・・・
あわあわとパンツを探し出したオレは、なぜこんなもんを着るハメになったか怒涛のように思い出していた。