短編だったりシリーズっぽかったり

□告白記念日 2(後輩視点)
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「先輩、お待たせ・・どうしました?」
「うひゃあっ、ご、ごめんなさい・・・君の部屋、見れたの・・・その、嬉しくて」

カアッと顔を赤らめる先輩に理性が焼き切れそうだ。

何で、あんたはそんなに可愛いの!

きょろきょろと珍しげにオレの部屋を見ていた先輩に声をかけると、まるで見とがめられたかのように小さく座る姿が愛しくい。
カチャとマグカップを少々乱暴に置いて、逃げそうになった先輩の体を抱き寄せた。
なるべく乱暴にはしたくなかったんだけど、反則級の可愛さにそうそういつも冷静でいられない。
おまけにここはオレの部屋で邪魔の入らない密室だしな!

「あ、あのごめんなさい・・・」

何を勘違いしたのか先輩はオレに抱きしめられながら、その身を固くして再度謝ってきた。
謝られたいんじゃない。
けれど、どう伝えたらこの怖がりな人に誤解なく伝えられるかわからなくて、ゆっくり安心させるように頭を撫でた。

「あ、の・・・」
「・・・ください」
「ふえ?」
「遠慮、しないでください。オレも嬉しいですから」

ぱっと顔を上げたから至近距離で見つめあう。
たちまち真っ赤になった先輩は、あうあうと意味不明な言葉を言って、多分無意識だろうけどオレの胸に顔を埋めた。
お願いだから、男心とか男の生理とかもわかってほしい。
無自覚で小悪魔な先輩に、オレは全力で翻弄されてしまう。


「あの、ね・・」


先輩はオレの胸に顔を埋めたまま声をかけていた。

「はい?」
「君も・・・敬語じゃない方がいいな・・・」
「え?」

驚いて先輩の顔を見ようとしたがけれど、それを拒むようにギュウッとオレにすがりつく。
はい、すっげー可愛いから無理やり外すなんてマネはしません。
拷問に近いんだけど、生殺しに近いんだけど、全理性を総動員して我慢します。

「先輩?」
「んと・・・その、そろそろ、名前で呼んでほしい」


可愛い!すっげー可愛い!!
どれだけ総動員しようが、理性なんか焼き切れてしまう!
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