短編だったりシリーズっぽかったり

□告白記念日 2(後輩視点)
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順調?かどうかはまだわからないが、オレは無事先輩を自分の部屋へと招き入れることに成功した。

泣き虫で、オレみたいな不良なんかとは一生縁のなさそうな先輩に告白して、ほぼ無理やりな形で付き合ってもらうことに成功した。

最初はビクビク震えていた先輩が、少しずつ震えなくなり自分から寄ってきてくれるようになって、学校の行き帰りには色々話してくれるようになって・・・
少しずつ変化していく先輩から目が離せなくて、最低限周りへの警戒は怠っていないが、本音はそんなものどうでもいいくらい夢中になっている自分がいる。

毎日が夢のようで舞い上がっていたが、ただでさえオレは年下だ。
おまけに不良・・・
嫌われる要素はそこかしこにあるわけで、毎日虚勢を張ってしまう。
先輩に好かれたい、そんなことを思うこと自体、自分には初めてのことだ。
今までの相手と違いすぎるため、勝手に戸惑う。





「飲み物取ってきますんで、適当に座っててくださいね、先輩」

怖がらせないようにニッコリ笑って促すと、最近はよく見せてくれるようになった先輩の柔らかい笑顔を見せて頷いてくれた。
で、さっそくキッチンへと向かい、先輩にばれないように大きく息をつく。

(あーもう!何あの笑顔!超可愛い!!今すぐ抱きしめてキスして〜〜して、〜〜しまくりたい!!)

今すぐにでも反応してしまいそうな自身の息子を鎮めようと何度も深呼吸をする。
ああ・・・まだ部屋に連れ込むのは早かったかもしれない。
先輩に近づいたり触れたりすると、びくりと大きく体を揺らし体を固くしてしまう。
いくらかオレに慣れたとはいえ、やっぱり同性を恋愛対象として見るのは難しいんだろうか・・・
ふう、と漏れた溜息と辛気臭い顔はそこですっぱりと捨て去り、優しい笑顔を心がけて先輩の元へ戻る。
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