短編だったりシリーズっぽかったり

□憑いてるネ☆乗ってるネ♪ -前編-
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場所はオレの部屋。
組み敷いているのは一つ年下の後輩、夏目一臣。

「あん、いいわ、もう逝く!逝っちゃうー!」

その夏目の上で一心不乱に腰を振っているのは、とある特異体質を持っている以外は極々平凡なオレ、東山正輝。

「は、う、先輩。もう、オレも・・・」
「来て、お願い。あ!あ、あ、あっ・・ああああ!!!」

夏目が下から激しく突き上げる。
オレは狂喜してなおさら腰を振りたくり絶頂を迎えた。


--ああ・・・これで思い残すことはないわー、これで逝けるわああ。気持ちよかったー


オレの中からずるりと白い靄が抜け出て上へと昇っていく。
それが薄らと女の形を取って、オレに手を振っている。
・・・ああ、ようやく逝ったか。感想は求めていないぞ。



「東山先輩・・・?」
「ああ、もう抜けた。いつも悪いな」

さっきまで気持ち悪い女言葉を使っていたから萎えるかなと思っていたけど、慣れたのか夏目はきちんと最後まで逝かせてくれた。

「先輩、もっかいいいっすか!?」
「へ?おまえさっきイッたんじゃないのか?って、え?あ?」

何ですでに臨戦態勢なんだ!?
夏目はオレを押し倒すと、硬いままの陰茎をオレに突き立ててきたのであった・・・




オレが何故後輩を巻き込んで、おかしなオカマ言葉を使いながら腰を振っているのかと言えば・・・

幼いころから憑依されやすい、所謂霊媒体質のせいだ。
子供の頃からよく憑かれていたからか、すっかり慣れてしまって対応も慣れたものだった。
大抵は何日かオレに憑依して日常を過ごしていると勝手に昇天していったが、たまに想いの強いものに憑依されると、願いを叶えないといつまでも憑依されることがあった。


例えば、美味しいものを食べたいという願望の時は、オレの財布から散々食い尽くされたり・・・まあ、これはオレも食べたことになるし、被害はオレの懐だけだから可愛いもんだが。

実害レベルで言えば、いじめられっ子に憑依された時は、いじめっ子をブッ飛ばすまで滅茶苦茶暗い気持ちにさせられた。
幸いオレは小さいことから父親に武道を通わされてたおかげか、何とかいじめっ子を退治することができた。
ただ、このせいで今でも実は不良だとか噂されている。
・・・黒髪で!どこにでもいそうな地味で平凡で真面目なオレが不良だと!

もう少し違う方向性の困ったものと言えば、根暗野郎に憑依された時。
とにかく人目を引くような派手なことをしたいと希望された。
これはもう話し合いに話し合いをつけて、犯罪とかしない方向での派手なものと取り決めた。
まあ、その結果が、髪の毛をレインボー色に染められて某国のカーニバルを彷彿とされるもう派手な服じゃなくて、何か・・・布?を巻き付けて街に繰り出されて・・・踊った。
周りの人の目が痛いことといったら!!
何故か駆けつけてくれた夏目が一緒に参加してくれて、奇抜なオレとイケメンの夏目が何かしてるってことで、いつの間にか多くの人が参加してくれて、フラッシュモブみたいになった。
十分にド派手なパフォーマンスになり、人目を集めてご満足気に昇天された・・・



夏目はちょっと頭が弱いけれど、義理堅いやつでオレがちょっと勉強を見てやったことをずっと恩にきて色々と力になってくれている。
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