短編だったりシリーズっぽかったり

□変態とオレと、時々、猫
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「やあやあ、卓巳。待ってたよ」

ニャアアン。ニャアニャア。ゴロゴロゴロ


--バタン


目の前に広がった場違いなまでに微笑ましい空間に、クソ死ぬほど似合わない男がセットになっていたため、無言でその扉を閉めた。

「て、コラ。何閉めてんだよ。こいつら逃げるからとっとと中に入れ」
「ぎゃあああ!何か壮絶に嫌な予感しかしないから離せえええ!」
「さすがは卓巳。よくわかってるな。今回のプレイの主役だからな」
「プレイって言うなやああ!!」
「卓巳うるさい」
「理不尽!!」

今日も変態に呼び出されて部屋に入れば、中にはホワホワのやわらかそうな毛玉・・・もとい、子猫たち。
子猫三匹と戯れるイケメンってのは確かに絵になるかもしれんが、中身を知っているオレからすれば薄ら寒いことこの上ない!
しかもプレイの主役って言った!
もうすでに変態好奇心を隠そうともしないぞ、コイツ!!
最初から隠してもいなかったけどな!


「まあまあ、とりあえず服脱いで」
「・・・なあ、何でおまえはいつもいつもオレが大人しく言うこと聞くと思ってんの?」
「え?だって最終的に聞いてくれるじゃん」
「う、うるせえ。好きで聞いてるわけじゃねえよ」
「毎回毎回さ、このやり取りって飽きない?とりあえず嫌がって見せて、何?ホントは無理やりやってほしいわけ?」
「都合のいい記憶の改変してんじゃねえよ!オレは毎回心底嫌だって言ってんの!」


本気でこいつの頭をかち割ってやりたい。
オレにそういうことされたい願望でもあるって言う気かコラ。


「でもさあ、今回はちょっと気にならない?卓巳は猫好きだったでしょう?」
「・・・まあ、好きだけど」

ひょい、と渡されたふわふわの毛玉・・・じゃなくて子猫。
柔らかくて軽くて、オレに撫でられてゴロゴロ喉を鳴らして・・・うわ、すりすりと頭寄せてきてかっわいいのー!!


・・・じゃない。

思わず本気で夢中になって子猫を撫でまくっていたけど、ハッと我に返って子猫を絨毯の上におろす。
すぐにじゃれてくる子猫にグラグラと理性が試される。
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