短編だったりシリーズっぽかったり
□告白記念日(後輩視点)
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「先輩好きです!付き合ってください!」
一世一代の告白は
「僕、暴力とか、流血とかダメなんです!ごめんなさい〜〜うわああああんんん!!!」
悲鳴と号泣によってあっけなく振られてしまった。
「えー・・・・・」
おまけに逃げられてしまった。
がしかし!速攻で我に返り後を追いかけあっさりと捕獲した。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、助けてください〜〜!!」
ボロボロと涙を流す先輩の顔は凶悪なほどにかわいらしい。
ムラムラと邪な欲望が湧き上がるのを押さえつけ、
「ぼ、暴力振るいません!」
「ふえ?」
「せ、先輩には絶対に暴力シーンなんか見せません!」
「ほ、ほんとに?」
「はい!・・・えっと、あの、色々事情があるので、先輩のいないとこではケンカしちゃうかもしれないんすが・・・」
目の前の小動物が目に涙を浮かべてビクビクと震えている。
わかっている。
怖がらせていることはわかっている。
はっきり言ってしまえば、オレの存在は先輩にとって恐怖でしかないだろう。
だけど!諦めるなんて絶対にできない!
「あ、あの・・・」
「はい!」
「っ・・・ど、して僕?・・・あの、君、かっこいいから、僕なんかじゃなくても「先輩!」ひいっ」
ぶるぶる震える小動物が心底愛おしい。
例え先輩だろうが、怖がられようが、嫌いとハッキリ言われなければ引くつもりはない。
・・・嫌いと言われても引けないかもしれないけど。
「一目惚れなんです」
「ふへ?」
はい、その顔凶悪に可愛いです。
どれだけ我慢しまくってるのか、少しはわかってほしいです。
せめてハグさせてください。