.

□朝比奈さんちのハルトくん
1ページ/3ページ

※時間軸は適当です。



皆様、お初にお目にかかります。
朝比奈のクラスメートの大野と申します。
本編登場はもう少し先になりますが、フライングで出てくる事をお許しください。

簡単な自己紹介をしますと・・・
オレは単にBLが好きな腐男子。
ホモではないのでお間違いなく。




ウチのクラスの朝比奈君。
実は1年のときからずっと学年首位を突っ走っている天才君。

基本的に彼はローテンション。
やる気が無いわけじゃない。

何か頼まれたら断らないし、話しかけられたら普通に会話する。
壁があるわけじゃなく、どちらかというと話しやすい。

だけど、あんまり特定の親しい友人というものがいる様子はない。
イジメられてるわけでもなく、授業で誰かと組む事があれば、いつの間にか誰かに声をかけられてコンビを組んでいる。

不思議な人。


多分誰に聞いても朝比奈の悪口を言う人はいないと思う。
それどころか、

「え?朝比奈?・・・えーと、いいやつだよ」

いやいや、その言い方。
名前聞いてもピンときてないでしょう。


授業は真面目に受ける。
話しやすいのもあるせいか、先生からの信頼もあって、頼まれごともされやすい。
ローテンションだけど、嫌な顔は見た事がない気がする。

というか、あんまり表情が変わるのを見た事がないかもしれない。
多分それは、あの黒縁のメガネとか目にかかるほどの前髪のせいで見えないだけかもしれないけど。




そんな朝比奈が副会長になった。
ウチの学校は、人気投票制と会長ご指名制からの2パターンで選出される。

人気だけで仕事が出来ない人を選んでも生徒会は滞っちゃうし、会長の好き放題に決めてハーレムとかにしちゃってもいけないからね。
バランスだと思うよ。


そういった理由から、書記と会計は人気投票から、会長の補佐を務める副会長は会長の指名から。

そんなわけだから、会長と書記と会計は超ハイスペックな美形が選ばれた。
正直、能力的にも問題ない人達だったから、副会長は誰が選ばれても問題ないと思われた。
というか、伝統的に副会長は人前に出るような仕事はあまりないからね。
他の生徒会役員に色目を使わない、仕事だけできる人間であれば、親衛隊も目をつぶる。

まあ、ぶっちゃけ、副会長って生徒会の雑用的ポジションってのが、公然の事実なんだ。


それを朝比奈が務める。
頭脳は申し分ないほどいい。
人柄は先生やクラスメートが保障する。
そして何より本人のローテンションぶりと外見に、誰もが彼を認めた。


仕事が出来て、余計な事をしない。
理想的な副会長だ、と。


嘲笑の類とも言える評判とともに押し付けられた役目だったが、朝比奈は文句ひとつ言う事はなかった。
生徒会の仕事を押し付けられても、先生に雑用を押し付けられても、クラスメートに勉強を教えるのを請われても・・・


彼は常にローテンション。
だけど、やる気が無いわけじゃない。

不思議な人。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ