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「ひあっ・・・〜〜〜祠堂!起きろ!!」
「・・・・ん・・・朝比奈・・・もう・・朝っぱらからエロい顔して、そんなんじゃ襲われるよ・・・オレの心配が尽きないじゃない・・・」
「今はおまえに襲われてるんだ!いい加減目、覚ましてくれ」
まだ寝足りないのか、はっきり覚醒するのを嫌がる祠堂を何とか揺さぶる。
祠堂の手が徐々に腰の方に移動して、感触を確かめるようにさわさわと這った。
「朝比奈の、腰ってエロいよね・・・オレと同じ男の腰と思えないくらい細くて柔らかくて、捻ったりしたらすごー・・・く、エロい・・・そんで、この匂いはもうモロ股間・・・に・・・・・・あれ・・・夢・・・じゃ、ない?」
散々人の腰を撫でまわして匂いを嗅ぎまくっていた祠堂がようやく覚醒した。
それと共にさあっと顔を青くして、バッと効果音が聞こえそうなくらい手を離して起き上った。
「え?あ、朝比奈・・・」
「やっと起きたか・・・」
「・・・・・・・オレ、何かした?・・・よね?」
「あー・・・背中とか撫でまわされたくらい」
「〜〜〜ゴメン、顔洗ってくるっ」
「え?祠堂?」
ようやく解放されてホッと息をつきながら祠堂に答えていると、かああ、と顔を赤くした祠堂が慌てて部屋を出ていった。
「やべ・・・オレもちょっと起った」
これで一安心かと思いきや、自分の体にも変化が表れていてガックリと項垂れた。
やっぱりオレって節操ないよな・・・
一方的に触られているのに気持ちいいとか、い・・・淫乱なんじゃないだろうか。
薄々感じていたけど、こうなるともう認めるしかないかもしれない。
「・・・あ・・・でも、オレ・・・怖くは、なかった」
祠堂に一方的に触られても、恐怖は全く感じなかった。
やっぱり、祠堂が好きだからなんだろうか?
いや、昨日は恐怖を感じたんだからそうじゃないかもしれない。
それじゃあ、相手の意識があやふやだったからだろうか?
あの目の熱を感じなかったからかもしれない。
溜息をついてぼふっと布団に顔を埋めると・・・祠堂の匂いがした。
--ガバッ
いかん。
とっとと起きないと遅刻する。
慌てて頭を切り替えて、シャツを脱ぎ捨てた。
服を脱ぐと体中に散らばる痕が嫌でも目に入ってきた。
「・・・・・・・・」
手が震えてきて、もう一度シャツを着直した。
「き、今日、も・・・休むか。蒼一と、後で学校に連絡して・・・ああ、祠堂の制服を用意しとかないと」
わざと口に出して携帯を取った。
空元気でも無理やり元気を出さないと部屋から出ることも出来そうになかった。
洗濯機から祠堂の制服を出してハンガーにかけて、朝食の準備をする。