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□名もなき実行委員
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ずーっと冊子に落としていた視線を会計様に向ける。
副会長の情けない顔って初めて見たかもしんない。
副会長はその顔で、会計様を見ると、
「誠人ー、まじゅい〜」
泣きそうな声で正直な感想を述べた。
うん。あれまっずいよね。
泣きそうな副会長とは逆に、イタズラが成功したかのようにニコニコ笑顔の会計様は、
「まずいよねー。オレもそれすぐ吐き出しちゃったよ」
確信犯か！
まあ、だからこそ、知らない人に勧めたくなるのが人の常だね。
「うえ〜」
きょろきょろとキャラメルと出すべくティッシュを探し出す副会長。
ポケットティッシュだけど、持って行ったほうがいいかな？
「遥人、交換しよ」
ちゅ、と自分が舐めていたチュッパチャプスを手に持つと、口を開けて舌の上にキャラメルを置いていた副会長からパクッとキャラメルを食べた。
・・・食べた！？
今、え？なに？見間違い？？
キスっぽいのしなかった？？
会計様は吃驚している副会長の口の中にチュッパチャプスを入れている。
「うーん、やっぱりまずいねえ」
「だったら無理するなよ。ほら、ここに出していいから」
副会長がメモ用紙代わりしていた紙を差し出したが、会計様は笑顔のまま首を振った。
「遥人の味してるから平気〜」
「はあ？」
うん、ほんと、はあ？？
なのに、会計様はまずいはずのキャラメルをおいしそうに食べてしまった。
あれ、個人差はあれど、まずいって感じた人は飲み込むのが無理なくらいまずいはずなのにな。
「えー、誠人食べちゃったの？」
「うん、ほらほら」
「いや、見せなくていいから。てか、誠人の口からジンギスカンキャラメルの臭いがして嫌だ」
「ガーン、臭い？？」
「イケメンの口臭がジンギスカンキャラメルって、ものすごいギャップだよな」
「え？何々？ギャップ萌え？？」
「悪いほうにな」
「え〜〜」
近くない？？
臭い云々の話だから、純粋に嗅いでいるとか？
それもおかしな話だけど！
下手したらチューするんじゃないかってくらい近いよ？？
副会長、何でそんな無表情なの？？
会計様、笑顔がめっちゃ眩しいです！
え？何？二人つきあってるとか？？
だからその距離なの？？
「ほら、これでも舐めといたら」
今度は副会長が自分の飴を会計様に舐めさせている。
会計様、「遥人に嫌われた〜ショック〜」とか言いながら、ニコニコ舐めてますね？
ラブラブですか？イチャイチャしてるんですか？
せめて二人っきりの時にしてくださいよ！