ツキウタ。短編

□鳥籠(春葵)
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ベッドに来ると春さんが俺を膝の上に座らせる
俺は春さんから見て左向き、春さんの体に俺が当たるような座り方
いつもなら重いことを気にして降りるところだけど、それを拒むように腕を回され固定されている
バイブの所為もあり力が入らずむしろ抱きつく

「ねぇ、葵君
どうしてどこかに行こうとしたの?」

笑っているのに温度のない声
俺の腰を撫でながら聞く

「あっ....ん、う....」

なにか言おうとするけど、喘ぎと呼吸の乱れでうまく言えない

「それが無かったら出かけてたんでしょ」

春さんがそう言うとバイブが止まった
ようやく開放されて俺は息を整える

「このバイブ、リモコン式なんだよ
リモコンとの距離で振動の強さが変わるんだ
ドアの下においてたから、出ようとするとすごく暴れるでしょ
今電源を切ったけどね」

俺は説明を聞いてそういうものもあるんだ、と思った
スタジオで撮影中にタイミングよく遠隔操作しているとか、隠しカメラよりもよっぽど現実的だ

「でも、残念だね
目が赤いし、ズボンも濡れてて、これじゃ出かけられないね」

春さん俺の目をハンカチで軽く叩くように拭く

「ズボンも脱がないとね」

座った状態のまま俺のベルトを外すとチャックを下ろしパンツを引き下げた

脱がせにくいだろうに膝に座らせたまま俺のズボンとパンツを脱がす

そして春さんは俺の隠していた部分を見つめると手を伸ばし扱い出した

「んっあ、は、はるさ..あっ」

抵抗もできないままに俺は感じて声を上げる

「葵君、イッて」

耳元で囁かれてすぐにイッてしまった
バイブも入れて既に数回目の絶頂でグッタリして春さんに寄りかかる

「もうあんまり白くはないね」

春さんは自分の服についた俺の液を指で触ると舐めた
俺はその仕草に魅入っていた

「ねぇ、葵君
俺のズボンも葵君ので濡れちゃったからさ...脱がせてくれる...?」

春さんの膝から降りるとベルトを外し、ズボンとパンツを引き下げる
脱がせやすいように春さんも動いてくれたから簡単だった
そして俺は膝だちになって春さんのを舐める
ぴちゃぴちゃと立つ水音に恥ずかしくなる
そろそろかな、と思ったところで口に含む
ここからは舐めるだけじゃなくて吸ったり、舌で押してみたり
入らないところや袋は手を使う

俺は春さんが望むように出来ているだろうか、そう思って視線を上げるととても気持ちよさそうな顔をしていた
一歳しか違わない、どころか3ヶ月しか違わないはずなのに大人っぽい春さんに普段以上の色気
自分とはあまりに差があるも、少しでも追いつきたくて、よりその表情が見たくて俺は舌を動かす

「ん....出そう....」

俺は拙いながらも早く動かして促す

口の中で苦い液が弾けて、春さんはずるりと抜いた
俺は奥の方に来たそれに咽ながらも飲み込んだ

「少しこぼれちゃったけど、頑張ったね」

優しく頭をなでてくれる
今みたいに笑った顔を見たくて俺はまた次に喜んでくれることをしたくなる
自分でも単純だと思うけど、惚れてしまったら仕方ない

「どんなお仕置きにしようかと思ってたけど、今はいい子になったから軽くして上げる」

お仕置き、は怖いけれど俺が約束を破ろうとしたから
俺は甘んじて受けようと頷いた

春さんから手招きされたから、立ち上がり近づくと手を引かれ、腰をつかまれ、再び春さんの膝に座ることになった
今度は先ほどとは向きが違い、俺はまっすぐ前を向く、つまりは春さんに背中をあずけるように座る
背中に春さんのが当たって俺の心臓が破裂しそうだ

春さんはまた俺のを触ると、根元を綺麗なリボンで結んだ

「可愛いよ、葵君」

耳元で言われたかと思うと息を吹きかけられる

「ひゃあっ」

咄嗟に耳を両手で覆うとすると、手首を掴まれて阻まれた

「下半身だけ脱いでて、上は着てるのに手は掴まれて自由がない、大事なところは結ばれてる、すごく可愛いよ」

耳をぺろっとなめられた
びくびく、として抑えたくなるけど、手で止められる
すごく焦れったい
耳を甘噛みをされる
また熱が高められる
でも、どこかに逃がすことも出来なくて

「あっ....ん....はるさん....」

「気持ちよさそうだね」

執拗に耳を責められてまたぼろぼろと涙がこぼれる

「もう涙でぐちゃぐちゃだね」

春さんは俺の手を離すと服の中に手を入れる
片手は胸の出っ張りを、もう片手は内股を撫でる
これ以上の熱を体に蓄えられない
胸を押したり、転がしたりして、コリコリ潰されたりする

「あ、ぁあっ....ああ」

体に力が入らなくなり春さんに寄りかかる
それでも春さんの手は止まらない
いつまで経っても収まらない快楽の波
さっき何度かいったせいで敏感で体が小刻みに震える

「..も、いかせて....」

最後の方は消え入りそうな声で、いつもの敬語すら使えないくらいに口は働かないし、頭も働かない
この熱から開放されること以外は頭にはない
いや、それすらも今は頭にはない
ただ本能的にいきたい

「じゃあまたバイブを使おっか」

「や、やら.....」

「んー、じゃあどうしようか?」

「..はるさ、の....くらさぃ..」

「じゃあ、入れてあげる」

その言葉通り、バイブを抜いて春さんは自身を宛てがう

「充分ほぐれてるからこのまま入れるね」

春さんは言葉通りすぐに入れた
しかし、入れるのは思った以上に時間がかかる

「自分から腰を振るなんて、そんなに気持ちいい?」

「....あっあ、あぁっひもひ、いん」

春さんのが奥まで入ってくると、そこからはガンガンと何度も突かれる
前立腺に当たる度になる度に更なる快楽が襲う
でも、イクことが出来ない
そして俺はようやく気づいた
春さんが俺の根元をリボンできいに結んだ理由
これがお仕置きであったと知る

徐々に高め、強請ったら快楽を与えると思わせて与えない
ここまで把握したのは行為が終わったあとだったが..

とにかく今の俺には早く欲を出して快楽の中に溺れたかった
解放ではなく快楽を求めていた

「....と、とってぇえっ...いきたあぁっ、いっしょに..ぁああ」

「もう、葵君.....一緒に行こう」

春さんは俺のからリボンを取ると一際強く突いた
俺がいくとすぐに暖かいものが体の中に入ってきた










俺が目を覚ますと俺を見ていたのか、ベッドに座った状態の春さんと目が合った

「おはようございます」

記憶が少し混乱しているけどとりあえず挨拶をした
体を起こそうとすると腰が痛く起きる途中で固まってしまった

「ごめんね、痛いよね....」

春さんの心配そうな声に首を横に振る
申し訳なさそうな表情で春さんは俺が起きるのを手伝ってくれた
寄り掛かるような態勢でなんとか起きている

「春さん...キス、してくれませんか?」

体勢を保ちながらは難しいのに、春さんはわがままを聞いてくれた
俺の頬に手を置くと優しくキスしてくれた

「春さん、好きです」

春さんは俺の言葉に対して一層深いキスをすることで返してくれた
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