ツキウタ。夢長

□姉さん
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急いで朝食を食べると各々学校や仕事に向かう
私も大学へ行く支度をする
みんな学校に通っていているから私もその間は大学へ行ける
海さんは運転できるし、ひとりで仕事に行かせても大丈夫
涙くんは少し不安だけれど、私がいなくても黒月さんがいるから問題ない

私は学校が終わると車で年中組の学校へ行き、4人をまとめて車に乗せてそれぞれの撮影所へ送る
私がいることで移動時間が多少なりとも短縮出来ると黒月さんと月城さんは喜んでいた
二人だけでは全員を移動するのは大変だし、アイドルを電車に載せるわけにも行かないからだ

助手席は夜さん、その他の3人は後ろに座っている
夜さんは私が指名した
OS組は論外、葵さんはまだ不慣れでやや緊張しするから精神的に安心の夜さんに来てもらいました
年下組は誰でもいいけれど、年長組は隼さん以外...でも海さんがくるを持ってるから関係ないかな

「運転していると暦ちゃんもタメに見えてきた」

失礼なことを言うのは新さん

「むしろ俺が運転して暦ちゃんに助手席に座ってもらいたかったな」

「あー、自分が運転して助手席に女子を乗せて運転してみたいよな」

陽さんと新さんは2人で自分が運転する体の話をし始めた
夜さんと葵さんは加わらず、悪化させずにふたりを見守っているようだ
何故、年中組はここまで極端なのか、OS組と女子力組に分けることができるとは聞いていたけれど

最初の目的地で降りるのは葵さん

「ありがとう」
「どういたしまして」

イケメンはお礼も爽やかでした

「夜さんと陽さんももうすぐ着きますからね」

「暦ちゃんって、どうしてマネージャーになったの?」

いきなりマネージャーが増えたのは陽さんでなくても疑問だろう
学年を考えると時期は中途半端だし、私はアイドルにキャーキャーいうタイプではなく、それこそ立候補したがるファンは多そうだ

「姉さんと買い物した帰りに白田がいて、抱えたら誘われました
最初は女装男子かと間違われて誘われたけど、女って分かっても勧誘されて...姉さんからやれって言われたから...かな」

「暦ちゃんのお姉さんも誰かのファンなの?」

新さんの質問に私は少し疑問を持つ
“も”とは、...

「姉は...春さんのファンですよ」

「「そこかぁぁぁ!!」」

陽さんと新さんが声を出す

「騙されてる、あのアイドルスマイルに」

新さんは同じチームの先輩について語り出す

「あの人は壁ドンと言うテーマで葵を誑かしてたからな」

なんだか運転に集中しにくい話だ

「春さんは優しい笑顔のお兄さんかと思いきや、参謀と言われるほどの...」

♪〜♪〜♪〜♪〜♪

言いかけた時に私の携帯が鳴る
車の音楽プレーヤーの所でバイブが震える

「誰からか見ようか?」

夜さんが聞いてくれた
運転中だけれど大事な電話だと困るのでお願いする

「三日月美代子さん...」

さっき話した私がここにいるきっかけの1人である姉さんからだった
メールでなくわざわざ通話ですることは滅多にないから気になるけれど、信号や場所を見るとしばらく出れそうにない

「...良かったら用件を聞いておくよ、身内以外には言えないことでも運転中だって伝えれば安心するかもしれないし」

んー、迷惑はかけたくないけど、お願いしようかな

「じゃあ、お願いします」

「もしもし、暦さんが運転中のため代わりに電話に...えっあ、はい」

夜さんは電話に出てすぐに口調が変わる

「弟?いえ、こちらこそ暦さんにお世話になります
そう言っていただけると嬉しいです」

姉さん...もしかしたらプロセラかグラビの誰かと話したくて電話をしたのだろうか...
私が出たら近くにいる誰かと交代してもらう前提で...

「俺に代われ」

陽さんが夜さんから電話をとる

「代わらなくていいから切ってください」

何ていうも聞いてもらえずに陽さんは話し始める

「もしもし、美代子さんですか?」

もう名前で呼び出したし...
本当に運転しにくい

しかし会話はエスカレートしていく
「口説くな、連絡先を交換するな!!」

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