ツキウタ。夢長

□これがアイドルとは
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中学を卒業と同時に事務所に所属することになった
こんなことになるなんて想像つかなった
私らしくないけど、息を吸ってドアを軽く叩く
目の前にあるのはProcellarumというアイドルグループの共有ルーム

「はい」

そう言ってドアを開けたのはみんなの頼れるお兄さんこと、文月海さんだった
ドアを開けるのはこの人か長月夜さんのどちらかだと思っていたから予想通りではあります

「君は...えっと、事務所の関係者の方ですか?」

「はじめまして、Procellarumの皆さん
マネージャーの補佐をすることになりました、三日月暦です
たまにグラビのヘルプにも入ります
尚、この寮にも住みますのでよろしくお願いいたします」

お辞儀をして頭を上げると部屋の向こうが見えて全員揃っているのがわかる
一人ニヤニヤ、あとは反応が微妙
社会人になったからとスーツにメガネで来たけれどおかしかったかな
みんな普通に私服だし
やっぱり伊達メガネは外そうかな

「君が新しいマネージャーさんか
思っていたより若くて可愛らしいお嬢さんだね」

そんなことを言い近づいてきたのはリーダー霜月隼さん

「新人さんのマネージャーが来るとは聞いていたけど、男性のアイドルユニットに若い女性なんて驚いちゃったよ」

「知ってたのか?」

海さんがそう聞くと隼さんはふふふ、と笑った

「これでもリーダーだからね
みんなの驚く顔が見たくて黙ってたんだけど...」

「言えよ」

これが年長組のアイドルでない時か...

「でも、本当に女の子で同じ寮と言うのは...少々不安ですね」

そういったのは長月夜さんだった
そして夜さんの視線の先はにいたのは葉月陽さん

「そこでなんで俺を見るの」

不思議そうに聞く陽さん

「女子がいることで1番不安なのはお前だ」

海さんも異論はないらしい
確かに最も女性なれしている人を警戒するのは無理もない

「そうでなくても年頃の女の子だと恋愛とか気にしそうなもんだが...」

どれだけ私について否定的なのですか

「恋愛においては大丈夫ですよ
私、男性はあまり好きではありません」

寧ろ、だからマネージャーにスカウトされたのだろう
いや、選んだのはうさぎだけれど
これで姉のようなミーハーであれば拒否されていただろう

「でも、俺が君を好きになっちゃうかも」

そんなことを言ったのは陽さん
さっきの話を、視線を一切気にしていないようだ
強いというか、図太いのかは分からないけれど

「もう少し発言に気をつけてください」
「アイドルアイドル」

陽さんを止めようとしているのは神無月郁君と水無月涙君

「三日月さんが反応に困ってますよ」

助けてくれようとしている郁君は天使に見える

「暫く楽しそうだね」

この時、隼さんの微笑みの意味を私は理解していなかった
ただこのグループはテレビ以上に個性は揃いくらいの印象だった
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