ツキウタ。短編

□一緒(モブ葵/新葵)
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放課後の空き教室
そこに呼び出されたのは何度目だっただろう
今回もまた同じ項目で来ていた
いつもと違ったのは相手の性別とこれから仕事であることくらいだろうか
アイドルになり、恋愛はできなくなって告白される回数は減った
学校終にすぐ仕事に行くことも理由のひとつかもしれないけど

今日は始さんと春さんを迎えに行った月城さんがそのまま俺達を迎えに来るまで時間がある。
その間、新を一人で待たせるのは申し訳ないけど返事を言いに来た

「葵君」

そう呼んだのは一つ上の先輩
学年が違い、ましてや部活が同じという訳でもないのにどこで俺のことを知ったんだろうか..
俺には疑問だが、新からは俺を知らないやつの方が珍しいと言われた

「ありがとうございます、先輩」

相手が男でも女でも好意は好意だ
可能な限り丁寧に断る

「でも、俺は先輩とお付き合いはできません、すみません」

俺はが頭を下げると、顔を上げる前に体を思い切り押された
予想外で受身が取れずに頭を強く打つ

「うっ....」

表情を歪めてる間に先輩は俺に跨ってきてマウントになる手首を押さえつけられた

「みんなの葵君が俺を好きになる理由がないもんな」

悲しげに笑った先輩は顔を近づけてきた
そのままキスをされた口の中に無理やり舌が入ってきて気持ち悪い
俺の舌と絡めてこようとした時に俺は噛んだ
先輩はすぐに唇を離すと俺を殴った

俺も先輩を殴ろうとするもこの態勢ではうまくいかない
怒った先輩は俺の首に手をかけた

「ぐ....う....」

首が締まり息ができなくなる
俺は手を離させようとするも先輩の腕を握るだけで力がなくなっていく
しかし、首からいきなり手が離れて、勢いよく息を吸おうとしたせいで咳き込む

するりとネクタイが解かれ、手首を取られ両手を括られた
俺が苦しんでるうちにと脱がせていく
息ができるようになってからも片手で俺の手を押さえつけながらだから時間をかかるが、着実に進んでいく

「やめてくださいっ」

手を動かそうと思うもまた首を締められる恐怖から動けない

「いい子にしてたらさっきみたいに殴ったりしないから」

頬をなでられると肩が小さく跳ねる


怖い、怖い、怖い、怖い

体に手を置かれる
そのままゆっくりと滑る
胸を手が這う
ぺたぺた触ったり、撫でたり、強く押したり、引っ張ったり

痛みと気持ち悪さに目を閉じる

「まだここは感じないか....まあ、ゆっくりと開発しようか」

ひとしきり触って満足したのかようやく手を離れた
しかし、ズボンに手が伸びた
ベルトを外し、下着ごとズボンを引き下ろされた

俺のに手が伸びる
先輩はぎゅっとにぎる

「う....」

力の強弱を変えたり、上下させたりして弄りだした

ぎゅっと口を噤んで出そうになる声を抑える

「ん、ふ....う」

「我慢してる表情も好きだけど、声をわざわざ抑えないでいいよ」

威圧的な声に恐怖して声を抑えるのをやめた
言葉遣いがどうあれそれは明らかに命令だった
俺は諦めて弄られる度に声を上げる

いつもより高い声はまるで俺のじゃないみたいだけどやっぱり俺の声で

しかしそこに聞きなれた別の声が交じる
♪君だけを抱きしめていたはずなのに♪

先輩は音源であるポケットから落ちたスマホを拾うと画面を見た

「もしもし、新君?
用事のところ悪いけど、葵君は俺と付き合うことになったから幼馴染みだからってもう葵君に馴れ馴れしくしないでね、バイバイ」

先輩は一方的に言うと電話を切った

「え、や..」

付き合うだなんて言ってない
俺が好きなのは....

「続きをしようか」

先輩は俺のを掴むと激しく上下させる
場所を的確について弄る

「あ、ああっうあぁ、あ....」

激しくされると目の前が真っ白になり、一層声を上げて出してしまった

俺の腹にかかった液を指で掬いながら先輩は言う

「ずっとセックスも自慰もやってなかったんだね....それともこういうのは初めて?」

俺にそう聞くと答えを待たずに指で舐めた

そしてにやりと笑うと俺の腹を直接舐め始める
ザラザラとした舌の感覚が気持ち悪い
それを見ていられずに目を瞑る

「アイドルもやっぱり筋肉いるんだね
それとも、王子様の時からこんなに筋肉があったのかな
スポーツも得意だよね」

舐めながらなで始めて気持ち悪い、怖い、助けて欲しくて名前を呼びそうになるのを抑える

「でも、みんなの葵君だったのに今の状態を見たらどう思うかな
ファンのみんなも、グループのみんなも....」


「死ね、クズ野郎.......じゃないか」

目を開けると新が先輩の脇腹を思い切り蹴っていた
先輩が倒れると始さんがそのまま取り押さえた

「葵....」

新は先輩を始さんに任せて俺の方に来ると手首のネクタイを解き、そのまま抱きしめてくれた

「遅くなって悪い」

「....ううん、ありがとう..」

俺のこと信じてくれて

助けに来てくれて

「黒月さんも来てくれるらしいから、とりあえず葵君は服を着ようか」

それを聞いて新は慌てて離れるとスボンや下着をとってきてくれた
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