ほぼ北欧神だらけです。
基本NLとなっております。








ヘルヘグ

『きっと、たぶん』

近頃ヘグニの様子がおかしい。香水の匂いも甘いものに変わり、様々なヘアアクセを試したり、揉めている時やたらと誰かを意識している様だった。きっと誰かを想っているのだろうと気づくのには時間は掛からなかった。何処の誰かは分からない。もしボクだったらいいのになんて。



スルオー

『甘えてよ』

珍しい事にスルトが風邪を引いた。看病しに部屋に尋ねたらうつるから入るなの一点張り。別にいいのに。寧ろうつりたいくらいなのに。頑な彼に溜息が一つ。折角頑張った苦手な料理も無駄になってしまっては、少しくらい私にくらい甘えてくれてもいいのにとの思いだけ空回った。



ヘルオー

『そのセリフ、そっくりそのまま返す』

かわいいか子供と光神はよく口にする。はしゃぐ光神の方がずっと子供だと無神は思っていた。満面の笑みでクレープを購入しては、渡す彼女は無神より忙しかった。ふと見掛けたゲーム機に無神が心惹かれていると子供だねと笑う。僕の台詞だよとの嘆きは届きそうには無かった。



スルヘズ

『約束破り』

今日はスルトと遊ぶ筈だった。眠気に負けず待っているのにいくら待っても来ない。たまたま通りかかったヘグニに聞けば、常界の方に向かっていたとのこと。忘れていたのかな。本当はどうでも良かったのかな。嫌な事ばかり脳裏を過る。嘘つきと小さく呟くとヘズは眠りについた。



シグヘグ

『ちょっと黙って』

目の前には相変わらずスルトにべたべたと触るシグルズ。彼の好意がどんなものか彼女には分からなかった。彼が口にするたった3文字に苛立ちが募る一方だ。「ちょっと黙って」思わず吐いた言葉にはっとこの気持ちが嫉妬だと知る。もう彼女には彼のも見ることが出来なかった。


ヘルヘグ

『傘の下で』

あんた馬鹿なの?バケツをひっくり返したような雨の中、傘をうっかり忘れ、途方に暮れていた。呆れられながらも渡された一本の傘と彼女の手にいつもより大きめの傘。こっちよりそっちがいい。無神は抱きつく様に傘の中にへと入った。ちょっと、あんたねぇ。溜息はどこか嬉し気に雨音に溶けてしまった。


ヘルヘグ

『何を今更、』


好きだよ。何時もの如く抱きついてくる無神をうっとおしく振る舞っていると、さりげなく聞こえた言葉。そんな言葉聞きたくなかった。羞恥心を知らない不敵な笑みが羨ましかった。誤魔化すのに必死な事を知っていて今更言うなんて相変わらず卑怯な子供に振り回されるのも悪くないなんて思うじゃない。


ファズクラ

『いえない一言』


言葉の重みは神でも消せなかった。秘密事はなしよ!いつの日にか交わした君との約束ですら守れなかった。兄弟という関係を壊すのが恐怖であった僕に言う権利も無く、一人胸の中で想いを押し殺していた。それでも消えない想いが胸を締め付ける。その日、僕は兄弟になった事を酷く後悔した。

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