ディバゲ

□ただ、それだけ
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常界の開店したばかりの美容院やアクセサリーショップ。新色のネイルなどとは別に惹かれるものがシグルズにはあった。
視線の先には整った横顔、スルトがさっきからマ○パを大はしゃぎでやっている他の北欧神四人を見ていた。
表情をぴくりとも変えていない為、何を思っているのかはまるで分からない。羨ましいのか、呆れているのか、もしくは……。
余りにも読めなさ過ぎて漏れるのは溜息。
「スルトとシグ姐もやる?」
「アタシは遠慮するわ」
「スルトはー?」
「いいのか?」
スルトが四人の中に混ざるとヘルヴォルからリモコンを受け取る。表情はさっきと同様変わっていない筈なのにどこか嬉しそうに見えた。心なしか痛む胸はきっと気のせいだと言い聞かせる。
神だとは思えない余りにものどかな時間に苦笑する。

きっと今の胸の内を晒したらこんな光景も見られなくなってしまうのかもしれない。
なら、こんな思いは見せられない。所詮神という存在にしても性別という大きな壁は越えられないだろう。それに、こうして一緒に居られることが今の最大の幸せに違いないのだから。
その瞳に映る景色からアタシがどう見えているのかはわからない。せめて、その視線が少しでも向いてくれたら、なんて言葉も全て心の中にしまった。


「ちょっ、ズルイわよ!」
「ヘグニ、ビリ……」
「見て見て〜私さっきまでビリだったのにスター一杯貰っちゃった〜」
「……1位」
「わぁ、スルト何気にがっつりコイン貯めてるね」
「あら〜、スルトちゃんったらすごいわね〜。にしても、あんたゲーム下手ね」
「うるさい!」

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診断のお題、俺だけを見て/ただ傍に居てくれたらそれだけで良かった/引き出しにしまいこんだ言葉 をお借りさせて頂きました。


いつもお世話になっている友人に捧げたシグスルでした!BLは難しい上、急いで準備したので割と短めで申し訳ないです……。

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