ハイキュー!!
□ 揚げ出し豆腐へのこだわり
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「…どっちがいいんだろ」
思わずこぼれた言葉は、1人っきりの合宿所の厨房にやたらと響いた。
青葉城西・排球部のマネージャーである名前は、
ただいま夕飯の仕込み中である。
体育館ではまだ練習が続いているはずだが、
ドリンクは大量に作り置きしてきたから心配はない。
そんなことよりも彼女の頭を悩ますものがある。
今日の献立…ではない。
あらかじめ栄養バランスも踏まえて練ったものが用意してある。
だが、ある意味、今日の献立が天敵であった。
――揚げだし豆腐…、岩泉の大好物…。
そう。
彼女は悩んでいた。
左手には片栗粉。
右手には小麦粉。
どちらを使う方が、岩泉の好みの揚げだし豆腐になるのか。
ということを、彼女は悩んでいた。