東京レイヴンズ
□風邪っぴきは何匹。
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「はっくしょんっっ」
名前は盛大なくしゃみをしたあと、ハッとして自分の髪を見た。
――し、白い…。
風邪をひいた影響で、呪力のバランスが崩れたのか知らないが、
名前の髪は白銀になり、頭から狐の耳が生え、ご丁寧なことに、お尻にはしっぽが生えていた。
しかし、いつもなら生成りの姿になると巫女装束になるが、それは発現していない。
中途半端に、呪力が不安定になってしまっているらしい。
――弱ったな…。よっぽど体調が悪いんだ…。
名前は大きくため息をつき、内側から聞こえる小言を無視しつつ、寝間着に着替えて冷えぴたを貼った。
幸い、今日はシフトが入っていない。
よっぽどのことがない限り、呼び出しはかからないはずだった。
名前はガバッと布団をかぶると、眠りについた。