長編 第二章

□2日目は
1ページ/6ページ



ドスン


「いったー………」



鈍い衝撃で目を覚ます
どうやら落ちたみたいだ


結局昨日はロビーのソファで寝た
どこの部屋にマネージャー達がいるのか分からなかったから



侑士の部屋行ってもよかったけど
なんか嫌だったからやめた


なんで嫌だったのか自分でも分からない
でも、なんか嫌だった



ボリボリと頭を掻きながら体を起こす
外はもう薄明るい


「散歩でもしようかなぁ」



一旦部屋に戻って顔洗わないと
部屋の前まで行き、静かにドアを開ける



(まだ起きてないのかな…?)



部屋を覗くと静かな寝息がきこえる
寝てるみたいだ
かばんから化粧ポーチを取り出し、洗面台で軽く化粧する


今日はどこの学校になるんかなぁ?



「立海がいいなぁ」



あれ、今なんで立海って言ったんだ…?
無意識だった どうして…?



「んぅ…、おはようさん」
「!?」


いきなり鏡に白石が写る
かなりびっくりした



「お、おはよう」
「すまんなぁ…そのままねてしもたみたいで」



寝起きであまり呂律が回ってない
ちょっとかわいい
白石は眠そうに目をこすり、水道をひねった


パシャパシャと洗う様子をみつめる
こうしてると、どこにでもいる普通の中学生みたいだ



「はい、タオル」
「ん、おおきに」



私も化粧を終わらせ部屋に戻る
テレビをつけると朝のニュース
起床時間まではあと30分あった



「私散歩行こうと思うけど、白石どうする?」
「健康的やなぁ、俺も行く」



財布と携帯を持ち、一緒に部屋を出る
外の空気は清々しく、深呼吸



「昨日すまん…知らん間に寝てしもて…」



堪忍、と両手を合わせる白石
くそう、イケメンめ…


「疲れてたでしょ?仕方ないよ〜今日も頑張ろうね!」
「ははっ」


突然笑う白石
頭に?マークを浮かべる なぜ笑われたんだ 


「いや、昨日からおもててんけど自分すごいなぁって」
「え、どういうこと」


聞くと、微笑んでこう答えてくれた



「ひたむきに馬鹿なところ」



なにそれ褒めてんの〜?そう笑うと
本人は至って真面目やでって言っていた


宿の近くをぐるりと一周
時間もいい感じだ


「今日もウチのマネージャーやったらええのにな」
「私のくじ運にかけといて」


宿に戻り、朝ごはんの会場に誰よりも早く到着した
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ