長編 第二章

□なんかアイツ
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この1週間で、俺様は1つ思うことができた



「どうしたんだよ跡部。ぼーっとして」
「ああ、向日か」


部活中ベンチに座っていると声をかけられた
そんなに上の空だったか?


(いや、そうかもしれねぇな…)


全部アイツのせいだ、と目線の先の明日香をみる
休憩中の一年と話をしているアイツは何故か最近


「それにしても明日香、急にエロくなったよな」


全く、向日の言うとおりだ
前にも増して肌は綺麗だ
それに髪の毛もいい匂いが常にする
香水でもつけてんのか?
体つきはもともと中学生らしくねぇが…


気になって今日の朝明日香本人に聞いてみたところ


「これが女子力なのだよ」


のヒトコト。
なんで今、その女子力を爆発させてるんだこいつ


(忍足と付き合ってるフリのせいか…?)


確かに、あの野郎と付き合うフリをし始めてから変わった


「気に食わねぇ…」


もともとこうなったのも忍足のせいだ
付き合うフリだなんて、反対だった
それはもちろん、ジローも同じ気持ちらしいが


「跡部、一年生に指示お願い〜」
「あ、ああ」


考え込んでいると明日香が目の前にいた
今日の練習はあいつは殆ど一年の世話だ


(気付け馬鹿野郎)


一年たちは、少なくとも2,3人はいる
てめぇが笑顔で話すたびに顔を赤くしている奴が
それは恐らく、ただの尊敬だけの感情ではない


(ったく…無自覚にもほどがある)


イライラするが、仕方ない
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