長編 第一章

□合宿初日
1ページ/6ページ


正直、なめとった。
この合宿を。

「はぁっ………しんど」

ほぼほぼ獣道みたいな道を走らされる。そりゃ日吉もこけるわ。

「ゆっし、俺……もうダメかもしんねぇっ」

そんな哀れな声が後ろから聞こえる
すまんなぁ岳人、俺も精一杯や

先頭を行く跡部の足が次第に遅くなっていった

「よし、少し休憩をとるぞ」
「や、やったぜ」

小一時間走っとったんかいな
雑木林を抜けると、別荘がみえた

「お疲れ様〜!」

そう言って一人一人にタオルとボトルを配る神崎さん
ええなぁ、あの感じ
やらしい意味も含めて、やけどな

「はい、忍足くんどーぞ」
「おおきに」

タオルで汗を拭き、ボトルに口をつける。
ええ感じの濃さや。

「なかなか美味しく出来てるじゃないですか明日香さん」
「日吉、生意気〜」

横でそんなやり取りをしている。
ちゅーか、いつの間に名前呼びやねん日吉のやつ。
いつの間に仲良うなってん。

「まだ皆走るの?」
「ああ、まだあと1時間弱ははしるな」
「おっけい、丁度そのくらいに出来るようにご飯作っとくね」
「ああ、頼む」

跡部と話す神崎さん
やっぱり、ええなぁ
でも、ほんまずるいで跡部も日吉も

「明日香ちゃ〜んっ俺も頑張ったよ!」
「ジロちゃんえらいえらい!よしよし〜」
「くすぐったいよ〜」

……ジローのやつも。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ