長編 第一章

□転校初日
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学校への道が分からない?
それなら一緒に行けばいいじゃない

     ――――――――榊太郎(43)



そんな名言が生まれた瞬間だった
まさか、まさかやでほんまに。

道教えてもらおうとしただけやのに榊先生が一緒に行けばいいって
おかげさまで高そうな車に乗ってるなうだよ

車の中は小物まで黒で統一されていてシックというやつか。大人だ。


「学校までは車でおおよそ10分。徒歩なら20分強といったところだ。」
「そうなんですか。」

私の住むマンションの近くに先生の家があって
その住宅街に学生はあまり住んでないという。


「神崎、君は男子テニス部のマネージャーに興味はあるか?」
「へ?」

いきなりでしかも予想外の問いかけすぎて変な声が出てしまった。

「えっと、それってどういう?」

そう聞くと榊先生はため息をついた。

「我が男子テニス部は部員数が200を超える。そのためにそれら全員を統括せねばならないが、数が多いために生徒たちには自主性を持つよう指導をしている。しかし、そんな生徒たちの状態を私は一人一人把握しきれていない。だから、マネージャーを設け手助けをしてもらおうと考えている。」

「はぁ…」
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