長編 第一章

□合宿2日目
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コンコン

部屋をノックする
でも、返事がない
樺地がさっき部屋にいるって言ってたからおるはず…

ドアノブを回してみたら、鍵は開いていた

「あとべー失礼しまーす」

ゆっくりと扉をあけ、部屋に入る
やっぱり、どの部屋も広い
奥に進むとベッドに横になっている跡部を発見した
規則的な寝息がきこえる。

(疲れてんのかな…)

そのベッドに腰掛ける
寝顔はいつもの跡部とは違い、可愛かった

「あーとーべー」

小声でほっぺたをつつきながら読んでみたけど、起きない
時計をみると午後の練習まではまだ20分ある
封筒はまた、夜にでも渡せばいっか

そーっと音を立てずに立ち上がろうとすると右腕を掴まれた
バランスを崩してそのままベッドにダイブする

え、何この状況

頭が状況に追いついた頃にはもうすでに私は跡部の腕の中にいた

「寝込みでも襲いに来たのか?」

意地悪そうに目の前で笑う跡部は、本当に綺麗だ

「いや、乾からもらった封筒渡しに来ただけだよ。来月の合同練習についてだって。あと、何この状況」

問いかけても跡部はその部分をガン無視。
ましてや私の手の封筒を取り上げて、その辺に放った。

「ちょ、なにしてんの大事な封筒を」
「うるせぇな。後で見る」

そのまま跡部は私の両手を掴んでベッドに押し付けた。
お陰様で動けない
え、ていうかほんとになにこの状況

「ねぇ跡部?」
「今朝」
「え…………?」
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