二次創作

□僕だけをみてくれないと
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※鬼桃だけど鬼灯出てきません
※鬼桃←白







「桃タロー君、僕とあのクソムカつく鬼神。どっちが好き?ああ、答えは聞かないよ!だって分かってるから、もちろん僕の方が好きだよねっ」

久方ぶりに薬の注目が殺到してしまい寝る暇もなく三徹目に突入したとある夜、白澤様は鍋で薬草を煮込みながらニコニコと笑みを浮かべて自信たっぷりといい放った。
俺は意味わからないことをいうふざけた口を縫い付けたいと思うくらい眠かったがあまりの眠たさにそんな気力もなく口を開くのを諦め、無視して完成した薬を顧客ごとに分けて袋に詰めていく。

が、無視したことが気にくわなかったのかさらにしつこく絡んできた。
最初は言葉を聞き流していたが、ねちっこいウザさに流石の俺も腹がたって文句を言おうかと袋詰めの手を止め、顔を上げれば目の前には真顔の白澤様。


「ねぇねぇ、僕のこと好きって言ってよ…そうしたらこのあいだあいつと抱き合ってたの、忘れてあげるからさぁ」
「…は、なっんで、それ!」
「なんでって僕は桃タロー君の事なら何だって知ってるよ?ほら、早くその口で言葉を紡いでよ。…じゃないと僕何をしでかすかわからないからさぁ」
「…何をやらかすっていうんですか」

自分でも声が微かに震えているのが分かったがそれを悟られまいとただひたすら拳を握り締め睨みつける。
しかし、睨まれているにもかかわらず気にする様子を見せず小首を傾げ両手を組んで一瞬間を置いて口を開いた。

「うーん、まずあの鬼の首と胴体を切り離したいなぁ。あいつは人間と鬼火が混ざってできた鬼だから胴体を解剖して中身も見てみたいし」

まるで何をして遊ぶかを決めているような弾んだ口調にますます背中が冷え、冷や汗が頬を伝った。

「僕が数億年生きる神獣だから、本気を出せば不可能なことなんてないんだよ?あんな忌々しい鬼なんか一瞬で消してしまえるし…あぁ、あと桃タロー君を永遠に閉じ込めることなんてわけないんだから」


そっと両手で俺の頬を包み、口角だけ上げて微笑う神様が恐ろしく、手の冷たさに震えるしかなかった。






おわり








拍手の方に載せていたものを少し加筆しました。本当は白澤の片思いの切ない想い的なものを書きたかったのにどうしてこうなった…。

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