存在証明


◆no title 

 歪みを矯正することはできない。それは貴方という存在そのものとわかちがたく結びついている。貴方の心の中に火が燃え盛っている時であれば貴方は好きなように自分自身を曲げることも伸ばすこともできない。しかし火が消え去って冷え切ってしまった今それをしてはいけない。それをしては貴方の魂も心も根元からぽきりと折れてしまう。貴方は貴方の歪みを矯正することはできない。まずはそのことを受け入れなさい…


 貴方に出来るのはその歪んだ部分を分離することだけだ。宝箱にしまい、神棚にかざり、徹底的に普段の貴方からは遠ざける。そして日常に、あなたが抱える歪みが影響を与えないようにするべきだ…。そうすることで貴方は正常を保てる。歪みを無理に直そうとしてはいけない。それはあなたの心と魂を深く傷つける行為なのだ…


 貴方はここで思う存分歪みをさらけだしてしまえばいい。私はそれを受け止めることができる。歪みを、濡れた場所を、淫靡な顔を、どことも知れない暗闇にむけて、貴方は何食わぬ日常へ戻っていく。貴方はそうするべきだ…。取り返しがつかなくなる前に。歪みをどうしていいのかわからなくなってしまう前に…

2014/08/16(Sat) 23:19 

◆no title 

貴方は私がどこの誰なのかということを知らない。そんな私に世界の果て、誰にも知られていないような暗闇の中で体をまさぐられることを、貴方は恐れるかもしれない。しかし貴方は光の当たったものの白々しさ、嘘臭さに心底うんざりしたのではなかったか?陽の光の下で、明るすぎる電灯の下で貴方の体をまさぐった手の拙さに、汚れに、貴方は幻滅してしまったのではないか?皮膚を越えて貴方は貴方の心の中の体の奥の奥にある結び目を解いてほしかったのではないか?心の奥に、魂の奥にひっそりとたたずむ泉を、取り返しのつかないほどにかきまぜて欲しかったのではないか?光に当てられた手ではそれができない。皮膚を乗り越えて貴方の本当の快楽を引き出すことができない。

 暗闇の中から無限の手を出して貴方をまさぐる私にはそれができる。貴方の全身のありとあらゆる場所、表側から裏側までの全てをまさぐって暗い快楽の深遠の底に沈めることも、叫びだしたくなるような歓喜の絶頂まで引き上げることもできる。

2014/08/07(Thu) 13:29 

◆no title 

人は生まれ出でてから土の中に埋められる時までずっと1人だ。人と人の体は皮膚が隔てていて、心と心は常識が隔てている。だから私たちは時に強く強く抱きしめあわなくてはならない。ひとつに融けあってしまうまで強く強く。そしてお互いの耳から言葉を流し込み、常識という壁を取り崩していかなければならない。そうしてようやく私達は真の快楽に到達することができる。そしてその快楽を通じて凍えるような孤独をひと時だけ忘れることができるのだ。

2014/08/06(Wed) 22:17 

◆no title 

私たちは人の皮膚に触れることによってその心をまさぐることができる。そして言葉を人の耳に押し込むことによってその魂をもだえさせることができる。一枚壁を隔てているからこそ貴方は真に悶えることができる。

2014/08/06(Wed) 12:32 

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