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□低血圧彼女
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今日の朝は、いつもと違う。
俺の横には、すやすやと寝息を立てる彼女。


棗である。
かわいい寝顔だ、自然と顔も綻ぶ。




付き合ってもう1年にもなる彼女。
もちろんやるコトはやっているし、今日もその流れでお互い寝てしまった。


初夏といえど、朝はすこし冷える。
気持ちよさそうに似ている彼女を起こさないよう、俺はベットから出た。



そして床に投げ捨ててあった服を拾い着て、下に降りる。


今日は家族はいない。
旅行に行っている。


俺は午後から練習があったし、午後練の時はいつも我慢させてしまっている彼女と過ごしたかったので、俺は家に留まった。


おかげで、久々に良い夜が過ごせた。




「さァて…あいつが起きる前にナンカ作るショ」



適当に冷蔵庫にあったものを引っ張り出し、スープを作る。


棗は、朝が弱い。
酷いときは無言でキレている時がある、そん時の顔はマジ怖いショ。

ゆえに彼女は朝食をあまり食べれない。
俺が言うのもなんだが、愛しい彼女に体を壊してもらいたくないので、食べやすいものを作ってやることにした。



「………ゆーすけぇ」

「ンァ?…珍しいナ」



急に後ろから唸るように自分の名前を呼ぶ声が聞こえたので振り返ると、先ほどまでかわいい寝顔を見せてくれた棗がいた。

しかし今の顔は、不機嫌マックスの顔だ。



「……眠い」

「まだ寝てりゃァ良かったダロ。なんで降りてきたショ」

「だって…裕介、午後から練習でしょ。
ちょっとでも長く一緒にいたい」




たどたどしいが、俺の体温を上昇させるには十分の言葉だった。
こいつは普段素直じゃないくせに、寝起きのときはこうナンでもスラスラ言っちまうのがなァ…


かわいいんだが、朝から盛ってしまうからやめてほしい。



「…わかったから、もうちょっと待ってロ。
今スープ作ってやるから」

「…裕介」

「ナンショ?」




「だいすき」







俺の背中にへばりついてきた彼女は、そのまま眠ってしまった。







あァ…本当に……


















低血圧彼女
(いつもの不機嫌の方が、よっぽど心臓にいいショ!)
(大好き)
(俺もダヨ!!………あ)












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