one more time

□05
1ページ/1ページ





まずった。
完璧にやらかしてしまった。


あんな余裕ぶっこいて
意味わかんねェ言葉吐いて逃げて

てーかそれより……



「徒野と…キ……」



皆までいう前に、俺は近くにあった壁に頭を打ち付けた。
何事かと驚く他生徒は、今はどーだっていい。


あのたった数十分の間に、俺が今まで築いてきた友情というものを、俺自身が打ち砕いてしまった。

信頼だってされてた…はずだ。
てェか、友達で十分だったはずた。
十分他の男共よりは、仲良かったじゃねェかヨ。

なのに……



「アー…きまず……」





でもその日の午後授業で

徒野が姿を見せることはなかった。









*

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ