one more time

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嫌な夢を見た。
私の寝起きは今日、きっと今年一番最悪だろう。

いや、全世界で今一番私が気分最悪だろうといっても過言ではない。



「また…っもう…!」



過去の夢、消えない思い出。
私が今までの人生で一番好きだった人。
一番色々な事を経験した人。


良いことも、悪いことも。
ほぼ悪いことしか体験していないが。



大好きな人だった、そんな人と付き合えた。
嫌われたくない一心で、
辛くても、悲しくても、苦しくても
直向に笑顔を向けていたはずだった。

でも、駄目だった。




それ以来、私は"好き"という感情を己の中から抹消した。
女子に対してや男友達に対しての好きはある。

だが、それ以上の好きは絶対にない。
絶対に。






「はー…さっさと準備しよう」




タンスの取っ手に引っ掛けてある制服を少々荒くひったくり、袖へと腕を通した。











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