You-Holic
□それはまるで・・・
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「今日は先に帰る。」
携帯電話の画面を見てすぐにそう言うと、俺は三人の返事も聞かずに走り出した。
アイツに、今すぐ会いたい。
そんな思いが原動力になり、泳いで少しは疲れているけど自然と足取りは軽かった。
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「・・・凛っ」
家にたどり着くと、丁度、凛が玄関に立っていた。
そう、メールの送り主は凛だ。
「おまっ、走ったのかよ」
「・・・・、っ。・・・・・あぁ」
酷く息を切らせている俺に驚いているのか、俺のそばまで駆け寄ってきた。
そして呆れたような表情をしてため息を着くと少し申し訳なさそうに笑った。
「わり、なんか。・・・・その。なん、つーか・・・さ・・・っぉわ?!」
何が言いたいのか、そんなのはすぐにわかった。
だって、俺も同じだから。
モゴモゴとしゃべる凛を強引に引き寄せ、ギュッと抱きしめた。