You-Holic

□それはまるで・・・
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部活も終わり、四人揃って下校中




俺、七瀬遙は悩んでいる。




それは、俺の恋人である松岡凛が、非常に涙もろい男だということだ。
嬉しくても、悔しくても、辛くても、幸せでもいつだってその猫のようなつり目に涙を浮かべる。

嬉しくて泣く分にはまだいい。それに泣き虫な所も凛の可愛いところで魅力でもある。
でも、悲しくて泣かれるんじゃ、俺はもうどうしたらいいのかわからない(よく泣かしてしまうし)。
けれど、凛の泣く顔は嫌いじゃない。とても綺麗だから。本人に言うと、顔を赤くして怒るからそっと胸の内に秘めておくけれど。




でもその涙は、俺以外の前でだって流れるんだよな。



「・・・それはハルが泣くなって凛にいったんじゃないか。だからハルの前では泣かないようにしよーって思うだろ?泣かないなんて難しいことなんだから。普通。」
「・・・。」

不服をもらすと、そばにいた真琴が呆れたように、諭すようにそう言った。
確かに泣くなとは言った。でも、だからといって俺以外の奴の前で凛が泣くなんて・・・・・・・・・・

あんな、綺麗な涙を、他の男に見られるなんて。

「最悪だ」
「我が儘すぎですよ」

怜の言葉が正論すぎて言い返す言葉がない。
そうだ。これはオレの我が儘だ。そう、なんだが・・・・



「え〜、僕はすっごく春ちゃんの気持ちわかるよ!」




渚はそう言って怜に抱きついた。

「ちょ、は、はなっ、離してください!」
「だって、好きな子の可愛いとこは自分だけが知ってたいじゃん、独り占めしたいもん!」
「無視ですか?!」
「そうかな?俺は皆にも知って欲しいって思うけど・・・」
「そうですよ、好きな人のイイ所は自慢したくなるでしょう?そして早く離れてください渚くん。」
「ていうか、ちょっとハルの言いたいこととは違うんじゃない・・・?」
「えぇ〜?そうかなぁ」


三人がどんどん話を進める中、制服のポケットに入っている携帯電話がブルブルと震えた。


「・・・。」


いつの間にかすっかり話の逸れてしまった三人の会話に耳を傾けつつ、俺は携帯電話の画面を見た。
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