LOVE STORY

□花とひだまり
1ページ/1ページ

花宮真。俺は元々頭が良かったし容量も良いし計算高い。
だから猫を被っていけ好かない優等生のフリをするのも得意だ。朝飯前。
そんな自分を見て、愛想よくする周りのやつを見て、バカな奴らと腹の中でクツクツと笑うのは日常的だ。
だが、そう笑えないほど嫌いな奴と言うのも世の中にはいる。
最も、俺はこういう性格だから、アイツらみたいな友情ごっごには本気で冗談抜きで吐き気がする。もう考えただけで泣きたくなるくらい気分が悪い。
さっさとくたばればいいのに、くらいにはアイツらの顔を見るたび思う。

でもどういうわけか何を血迷っているのか


俺は木吉徹平という最も嫌いな男と付き合っている。





「花宮ぁ」
「・・・。」
「無視するなよさみしいなぁ」

そう言って有無言わさず木吉は無視を決め込む花宮を自分の膝の上に乗せまるでぬいぐるみを抱くようにギュッと愛おしそうに抱きしめた。

「・・・。」
「はーなーみーや!」
「うるせーよ!離せ!」
「それは無理な相談だなぁ」
「〜〜〜っ」

暢気に笑う木吉とは対照的に花宮は顔を赤くしふるふると震えていた。

「・・・?どうした?寒いのか。」
「んなわけねぇだろ!恥ずかしさで死にそうなんだ!!」
「なんだ、案外照れ屋なんだな。可愛い」
「〜〜〜」

終始自分に甘い言葉を囁く木吉に、花宮はもう骨抜きなのだ。
恥ずかしさはもちろん。純粋で真っ直ぐすぎるその言葉に不覚にも乙女のようにときめくのだ。
触れた部分はじわじわと熱くなりもっと触れて欲しいと思う。

普段ならありえない反応をしてしまうそんな自分にも、そうさせる木吉にも、花宮はお手上げ状態だった。


「は、なせよ」
「とかいう割には擦り寄ってくるな。猫みたいだな。花宮って」
「・・・もヤダ。コイツ」
「じゃあ分かった。」

そう言うと、木吉はすんなりと花宮を抱きしめていた腕をするりと解いた。

「・・・え」

その行動に思わず物欲しそうな声を上げてしまうとすると木吉はニヤっとわらう。
嗚呼、コイツはそういう奴だった。
でも、そんなあっさり引き下がるとは思わなかった。つーかなに若干ショック受けてんだよ。

でも。

「花宮?」

もっと木吉触れていたい。
あぁもう。まるで俺が木吉にゾッコンみたいじゃないか。
ふざけんな。そんなの俺じゃない。

でもそんなのがどうでも良くなって、軽く理性が飛ぶくらいに俺は・・・

「きよし、好きだ。」

爆発しそうなほどバクバクと五月蝿い心臓の音が木吉に聞こえてしまうんじゃないかなんて考えながら、俺は木吉の首に腕を回し唇にキスを落とした。


-end-










あれー。なんか・・・。
うん。すみませんでした。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ