01/16の日記

00:10
逆短文:入れ代わり話し
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すみません、今日もバトンサボります(´;ω;`)
代わりに以前拍手文だった角都と鬼鮫が入れ代わる話しの、続きを発掘したので載せます。履歴見たら2007年…;


「転々」



朝目を覚まし、目を擦ると見慣れた黒い肌が映った。
「…戻ったか」
鏡を確認するまでもない、所々に縫い目のあるこの体、間違いなく俺の体だ。
一安心し朝食作りのために食堂へ向かう。


食堂
そろそろ鬼鮫が来るなと考えていたら。
鬼鮫と飛段が飛び込んで来た。

「…どうしたお前ら」

二人の元に近くと鬼鮫が泣きそう顔になった。

「鬼鮫?」

「角都!」

抱き付いた!?
でかい体でいきなり抱き付かれ、バランスを崩しかける。

「俺がどんな姿でも、愛してくれるか?」

こんな馬鹿な事を言うのはあいつしかいない。

「五月蠅い!どけ飛段!」

「さすが角都!俺だってよく分かったな!」

「飛段さん!角都さんが潰れますから離れて下さい!」

飛段が引っ張りようやく鬼鮫は離れた。
いや違う、正しく言うとだ。

「今度は鬼鮫と飛段が入れ代わったのか…」

「はい、そうです。…明日には直ると思いますが」

丁寧に喋る飛段の姿は珍しいと言うよりかは異形。

「…取りあえず朝飯を作るぞ鬼鮫」
「はい」


器用に料理を作る飛段…これまた異形。

「なんですか?」

俺の視線に気付き鬼鮫がこちらを見る。

「…別に」

「料理する俺に見惚れたんだろ角都?」

飛段がカウンターから身を乗り出し笑いながら言った。

「…違う」

けして見惚れてはいない。
「あの、角都さん」

「…なんだ」

鬼鮫に呼ばれ振り返ると、棚を見上げている。

「調味料に手が届かないんです…取ってもらえませんか」

台所は俺と鬼鮫しか使わないから、調味料などは自動的に高い位置に置く。
飛段の背で届くはずがない。

「これか」

醤油を手渡す。

「ありがとうございます、角都さん」

フワリと笑う。
飛段の顔のせいか随分と…いや、鬼鮫の顔では気付かなかっただけで元々この優しく穏やかな笑顔だったのだろう。

「………」

「見惚れてるじゃねぇかよ〜」

「…断じて違う」




「おはよ、あれ?鬼鮫なんで料理してないんだ、うん?」

「珍しいな」

デイダラとイタチが入って来た。
説明は…飛段にさせるか。
飛段に目線を移すと、丁度立ち上がったが…なぜか恭しい。

「おはようございます、イタチさん」

あの馬鹿…鬼鮫のふりをして何をする気だ。

「ああ、おはよう…。角都さんではないよな?」

イタチは飛段をまじまじと見る。

「はい、元通りです」

「……違う」

「はい?」

「お前は鬼鮫ではない、飛段だろ」

「…っんだよ、なんで分かるんだよイタチ」

豹変した鬼鮫にイタチは驚いたようだがすぐに言い返した。

「鬼鮫ならデイダラにも挨拶をする」

「…あぁ、そりゃそうだな」

「…馬鹿言ってないで運ぶの手伝え」

俺が声をかけた事で鬼鮫が二人が来た事に気付き声をかける。

「おはようございます、イタチさん、デイダラさん。あ、寝癖ついてますよデイダラさん」

全員で鬼鮫を見る。

「ほらな」

得意そうに言うイタチを鬼鮫は不思議そうに見た。

行儀良く、好き嫌いしない飛段。
…は、まだ良い。
問題なのは…。

「俺さぁ、ブロッコリー嫌いって言ったよなぁ角都」

行儀悪くて好き嫌いする鬼鮫は見るに堪えん。

「…殺すぞ飛段」

俺の脅しを聞いて飛段はニヤリと笑った。

「鬼鮫の体だから殺せないだろ?」

「…五月蠅い、食え!」

「そうだ、いい加減しろ飛段」

飛段の横に座るイタチが睨み始めた。
当然だな…。

「だってよ…あっ」

文句を言うのを止めブロッコリーにフォークを刺す。
やっと食べる気になったか。
自ら食べなければ押し込まれのだから素直に食べれば良いんだ。
だが飛段は口に運ばず、イタチの口に向ける。

「はい、イタチさん。あーんして下さい」

飛段必殺・無邪気笑顔…。
加えて鬼鮫口調。
イタチは口を開けてしまった。
がっ、すぐ正気に戻ったのだろう。
慌てて口を閉めた。
だがブロッコリーの半分はイタチの口の中。

「飛段、お前なっ…」

駄目だやはり殴ろう。
拳を固め立ち上がる。

「わ、分かったよ食えば良いんだろ!?」

だが、皿にブロッコリーはもう無い。

「嘘をつくな」

「食うって、おいイタチ」

呼びかけると同時にイタチの顎を掴む。
まさかっ!
そのまさか。
飛段は口移しでイタチの口からブロッコリーを取り食べた。
イタチは突然の事で固まっている。
当然だろうな、見た目は鬼鮫なのだから。

「っ飛段さん!!」

鬼鮫が立ち上がりテーブルを叩いた。

「何やってるんですかっ!…私だってしたことないのに!」

「んな、怒るなよ。良いじゃん体は鬼鮫何だからよぉ」

この馬っ鹿は…。

「…すまん鬼鮫」

鬼鮫が不憫に思い、代わりに謝った。

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