シンフォニー

□苦労人
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木ノ葉

現在、僕達三人は木ノ葉の中忍試験に参加している。

試験が開始するまで待つようにと用意された宿は下の中と言った所で汚くボロイ、まあ…はっきり言って僕が居た音のアジトとさして変わらないんですけどね。

音の里はマイナーだし文句を言える立場ではないし僕達も何も言わなかった。

言わなかったんですが、夜になって僕は少々不満が…。

ここでは自分で食事をまかなうんですよ。
他の里の方々は店で食べれますが、僕達はね…お金がないので自炊。
それだけなら良いんですが…。

「なあ、ドスまだ?」

「お腹減った…」

これですよ、僕の不満は…。

「…五月蝿いですね…自力で作れないんですから黙って待っていて下さい」

料理が出来ない二人が五月蝿く、まだか?まだか?と…。

「キン…手伝いぐらいして下さいよ、一応女の子なんですから」

嫌みっぽく言うと少々不満そうに僕を睨んでから立ち上がった。

「何をすれば良いの」

「そうですね…魚をおろして下さい」

魚を指差すと、キンはとんでもない行動に出た。

「キン!その下ろし金で何をする気ですか!?」

キンの左手には下ろし金、右手には魚…これはもしかして……。

「はぁ?だっておろせって言ったろ?」

ああ…駄目だこの人、嫁の貰いて無しですね。

「…もういいです」

まったく…こんな世間知らずで我が儘な人達の面倒を見て、尚且つ…礼儀的な口調を崩さない人間って、僕くらいでしょうね……。






「…私もですよ」

「いきなりどうした…鬼鮫」

急におかしな事を呟く相方を振り返ると、驚いた顔でこちらを見返してくる。

「いや…何となく、誰かに話しかけられた気がしまして」

「………医者に診てもらえ」

それだけ言うと二人は木ノ葉への旅路を歩み始めた。



END



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