シンフォニー

□一楽
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ザクは一人木ノ葉の大通りを歩いていた。

キンは別行動、ドスは…。
ふと、気付けば一人だった。
部屋に戻ると落ち着かず、あてもなくただ歩いていた。
夕刻近いこの時間、通りは人であふれていて、とくに家族連れが目立つ。
人が沢山いるのに自分は一人だ…。

大通りから離れ小道に入る。
すると何か良い匂いがした。
逆らいがたいその匂いに引かれ進むと、一軒の店があった。

一楽…何の店だ?

入ってみれば分かるだろうがザクはお金を持っていなかった。
諦めて踵を変えると、そこにはどこかで見たことのある奴が立っていた。
相手も同じらしく、こちらの顔をじろじろ見てくる。
「あー!お前ってば死の森で襲ってきた奴!こんな所でなにやってんだってばよ!?」

…思いだした、うちはサスケの班の奴だ…確かナルト?俺らが騒いでるなか一人寝てやがったっけ…。

「…良い匂いがしたからよ」
「あ?ラーメン食いに来たのか?」
「…らーめん?」
聞き覚えのない言葉にザクは首を傾げる。
「…お前ってばラーメン食った事ないのか?」
ひどくびっくりしているようだ。
「…悪いか?」
ムッとしながら言うと相手はもの凄い勢いで頷いた。
「悪い!ラーメン食った事無いなんて人生無駄にしてるようなもんだってばよ!!」
あまりの剣幕にザクは呆れて言った。
「た…たかが食い物だろ?」
「たかが食い物じゃないってばよ!百聞は一見にしかーず!さっ、入るってばよ」
店を指差しニカリと笑うが…。
「無理だ」
ザクは首を振った。
「なーんでだってばよ?」
「…金がねぇんだよ」
そう告げるとナルトは自分の胸をドンと叩いた。
「よし!俺が奢ってやるってばよ」
「はぁ!?俺は敵…」
「いいから、いいから!早くするってばよ!」
話しの途中で店に引きずり込まれてしまった。



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