と宝物

□暁高校の伝説になった男達
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私立暁高校。
学力、スポーツ、芸術の三つ共が秀でている事で有名な暁高校は普段、校内は休み時間であろうとも自習をする生徒により静まり、ペンを走らせる音のみが聞こえ、校庭や体育館では部活動を行う部員のキリリと猛々しい声だけが聞こえる。
だが今日は年に一度の学園祭。校内のあらゆる所で明るくて賑やかな声が聞こえる。

「フハァー。やっぱ私立は綺麗だな、ホント」

中学の黒い学ランを着た三人の中で、1番落ち着きのなさそうな男の子、神城飛段はセンスの良い外装や誘導する生徒の制服を見ながら、独り言のように言った。

「だな、うん。オイラ達、来年から通うのか…」

白ブレザーの胸元に青い校章、肩には青い線の入った制服が着たくて、この高校の受験を決めた岡本デイダラは制服を着て校内を歩く自分の姿を想像して、ポヤポヤとした笑顔を浮かべる。ちなみに想像した姿は10cm程背が高かった。

「受かったら、な」

冷静な一言を呟いたのは、うちはイタチ。冷めてるように見えるが実は今日の学園祭を1番楽しみにていたので、内心はかなり興奮している。それを抑えようとしているので自然と冷静になっているのだ。

「ぜってー受かるって!んな事よりほら、飯食おうぜ飯!ヤキソーバ、タコヤーキ!ヤホーイ!」

飛段は二人の間に無理やり入り込み、腕を掴んで走りだした。

「飛段!早すぎだぞ、うん」

「ナンセンス」

一応文句を言ってはいるが気分が盛り上がっている二人の口元には笑みが浮かんでいた。




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