ペルソナ
□片思い同盟
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どうも、ドビっす。
今日も暁アジトで雑用三昧、今はゼツ先輩ん所に花の種やら株やら両手いっぱい持って中庭に移動中っす。
中庭はゼツ先輩テリトリーみたいになっていて、普通の花から薬草、毒草なんでもあるんすよ。
いろいろあるけど、ゼツ先輩1番のお気に入りはアロエらしいっす。
ずらららっーと、アロエの植木鉢が並んでるんすよ、あれは大好きな証拠っすね。
やっと中庭に着くと調度ゼツ先輩が水やりしていて、俺に気付くとすぐに運ぶの手伝ってくれたっす。
鬼鮫先輩もそうっすけど、見かけによらず優しい人っす。
「コノクライノ荷物デ、フラフラスルナ馬鹿ガ」
「重かったよねありがとう」
黒と白、どちらもゼツ先輩すけど、性格が違うみたいっす。
でも優しいのに変わりはないんすよね。
だから、ついつい愚痴ちゃう事が結構あるんすよ、意見を二種類聞けるから参考になるし。
「ゼツ先輩、また相談乗ってほしいっす…」
ベンチに座って、また水やりに戻った先輩の背中に声をかける。
振り向かないけど、ちゃんと話しを聞いてくれてるのは分かってるから、勝手話し始めるっす。
「飛段先輩と全っ然、話せないんすよ〜、何回か姿見かけたのに、角都先輩がべったりで…」
角都先輩が怖いから、飛段先輩一人の時を狙うしかない、なのに最近…角都先輩が感ずいたみたいで、アジトに居る時は常に引っ付いてる。
「やっぱり片思いは辛いっすよ…」
言い終えてもゼツ先輩は水やりをしてる。
ま、仕方ないすよね、日課をしっかりこなすのがゼツ先輩のポリシーすから、多分。
「…気持チハ分カルガ、諦メタ方ガ良イゾ」
「あの二人はらぶらぶだからね」
「諦めろとか、簡単に言わないでほしいっす」
ちょっとムッときて言い返すとゼツ先輩は使っていたホースを片付けて、俺の横に座った。
「…俺ダッテ片思イシテンダ、諦メタクナイ気持チハ分カルンダヨ」
「辛いよね…だからこそ、諦めた方が良いよ…諦めてただ見てるだけが1番だよ」
ゼツ先輩の言葉を聞いて俺は一瞬固まったっすよ、だって恋とかするタイプに見えないし、そぶりまなかったんすから。
「え?…だ、誰に片思いしてるんすか?…飛段先輩すか?」
「……鬼鮫ダ」
「……鬼鮫さんだよ」
「…………はい?」
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