ペルソナ

□ケーキ
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暁本部をほてほて歩いていると…。

「お!飛段先輩だ〜」

珍しく一人な飛段先輩。椅子に座ってぼんやりしている。

「あ、指紋マンだ」

俺に気付くとピョインと椅子から下りて近付いて来た。

「はぁ…相変わらず可愛いっすね、飛段先輩♪」

「あったり前だろォ〜」

俺の言葉でニッコリ笑う。
可愛いよぉ…。

…いっそ、捕らえて監禁してしまおうか…。

おおっと!!危ない危ない…あまりの可愛らしさに素が出そうになったっす。

「あの…近くの街にケーキ屋さん出来たんすよ、奢りますから一緒に行かないすか!?」

後輩風に一気に言った。
飛段先輩ちょっとビックリしたみたいだけど、少し考えてからニヤリと笑って言った。

「俺マジいっぱい食うぜ?」

「大丈夫っす!」




ケーキ屋

私服に着替えた飛段先輩が沢山並ぶケーキを選んでいる。
飛段とケーキ…なんてぴったりなんだろう。

「ん〜と、モンブランとチーズケーキとアップルパイとエクレアとショートケーキとプリンとォ…」

容赦無い注文に俺も店員も驚いて目を見開く。

「た、食べ切れるんすか!?」

「もち!あと苺タルト、飲み物はミルクティーで、指紋マンは?」

飛段先輩の呼び方で店員笑いかけた。

「俺はいいっす…」

ガックリ落ち込んだフリをしながら首を振る。
仮面を外すわけにはいかないすから…。

「ではお客様、テーブルでお待ち下さい」



テーブルに並んだケーキを幸せそうに食べる飛段…。
それを幸せな思いで見る俺。
周りから見たら俺達…恋人同士に見えるだろうか…。

「モンブラン、マジ美味ェ〜!アップルパイめっちゃさくさくゥ〜」

ものすごい勢いで食べてる…きっと普段は食べさせてもらってないんだろうなぁ…。

俺のものになればいくらでも食わせてやるのに。

「あ?…一口いるか?」

見つめていたら勘違いされてショートケーキを一口分差しだされた。

「ほれ、あーん」

うわぁぁあ!飛段ごと食ってやりたい!
だが…。

「…食えよ」

迷っているとフォークの柄でコツコツと俺の口を仮面越しに叩いてきた。
…ちょっとなら……良いよな…?
仮面をギリギリまでずらして口を出す。

「おっ…あ〜ん」

口に含むとクリームと苺の味が広がった。

「美味い?」

「美味しいっす…」

すぐに仮面の位置を戻すと飛段先輩は不満そうに睨む。

「ケチィ」

膨れたほっぺが可愛い…でも駄目なんだ。

「…ごめんなさい」

「しょんぼりすんなよ、な?」

小首を傾げられて、俺は有頂天になった。

「はい!」

勢いで空いてる左手を握る。

「オイオイ、調子乗のんなよ」

払い除けようとするけど離さない。

「飛段先輩…好きです」

何回目かの告白、どうせ相手にされないのは分かっているけど…伝えたい。
「だからさァ…俺は角都のものだからさ、無理」

嗚呼、やっぱり。

「でも…」

飛段は呟くと俺の手を引き寄せ手の平にキスした。
手袋着けてるから折角の唇の感触がいまいち分からない…勿体ないっ!

「デートだけなら…良いぜェ?」

上目遣いが…可愛いっ!

「ありがとうございます!」

良いように使われるのは分かってるけど、ケーキ目当てなのは分かってるけど!。
でも幸せだ!



END


軽く二重人格状態な斑様。
そして小悪魔飛段(笑)

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