ハイキュー!!

□及川接骨院
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住宅街の中にその病院はあった。1階が病院で、2階が家になっているっぽい。正面にある看板には
「及川接骨院 はり・きゅう 短時間で治します」
と書かれていて、診察受けても大丈夫そうだな、と安心した。それより、本当にクソ川が接骨院をやっているのかどうかが凄く気になる。
ズルズルと足を引きずりながらガラス張りのドアを開くと、誰もいない。
「……すみませーん」
「はいはーい」
パタパタとスリッパをならしながら走りよってきた医者は、俺の顔を見て一瞬固まってすぐにニコニコ笑い出した。
「岩ちゃんじゃーん!!どうしたの〜??」
「てめえ!!!」
右フックを脇腹に決めてやった。
「ぐほぁっ!!!何するの岩ちゃん!!!久しぶりなのに!!!」
「お前接骨院開いてたのかよ……知らねーぞそんなの」
「先月に開いたばっかだよ。忙しくて連絡できなかったんだ〜ごめんね岩ちゃん♡」
「別にどうでもいい」
「ひどい!相変わらずだね!!」
クソ川の話を無視して近くにあるソファーに座る。話にきたんじゃなくて、足を診て貰いに来たの忘れてた……
「おい、右足首ひねったから治せ」
「なんで命令系なの〜?まあいいけどー。あと今日休診日だよ??」
「……まじか」
「まあいいよ、岩ちゃんのために特別に見てあげる♡」
俺の前に座って右足首を触り出す。触られるたびに痛みが走った。
「ちょっと足首どうしたのさ」
「バレーやってて着地するときに捻った」
「へえ、岩ちゃんにしては珍しいじゃん。はい、内側に捻るよ〜」
「!!いてえ!!!!クソ川ぼげえっ!!!!」
「なんなの!?診てあげてるのに!!!ひどくない!?」
うるさかったのか奥の部屋から看護師らしき人が出てきた。身長が高く、筋肉の付き方がいい男性だ。
「ちょっと徹さんどうしたんです………………あ、岩泉さん」
「影山?なんでここにいるんだよ!?」
影山は照れながら持っていたファイルを近くのテーブルに置いてクソ川のほうを向いた。
なんだこいつら。できてんのか??
「あ、言ってなかったね。俺たち結婚しまぁ〜〜す!!」
「……へえ」
やっぱりできてた。
「俺、高校の最後の試合で膝壊しちゃって、それを治すためだけに及川さんが整体師になるって言い出して……」
「そうだったのか、膝は大丈夫か?」
「少し痛むんですけど、前より全然ましです」
表情1つ変えずに話していたけど、すごく喜んでるのが雰囲気でわかった。
何気にクソ川いいことすんだな……。
影山が話している間クソ川はずっと右足首を診てくれていた。
「そうなんだよね〜、飛雄の膝早く治って欲しかったから……もうすぐ治る予定だよ」
「おまえすげえな……初めてすげえって思ったわ」
「及川さんは元からすごいです〜〜〜!!あ、右足首、全治3週間ね。飛雄、テーピング持ってきて」
「あ、ハイ」
パタパタとまた出てきた部屋に走っていった。
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