小説─黒子のバスケ─
□嘘だと、思ってるうちに【花降】
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嘘だと、思っているうちに【花降】
「好きだ」
そんな甘い声で囁かないで、俺を呼ばないで。
俺は貴方が嫌いだ。
だから、呼ばれなくない、呼びたくない、
だって、そしたら俺の方から行ってしまう、今も必死に耐えて、貴方の存在から離れようとしているのに。
貴方はそれを易々と阻止するんだ。
なんで俺を引き寄せるの?
分かっているんでしょう?
俺が離れられないことを、だから遊んでいるんでしょう?
俺を玩具にして、気がすむまで遊んで、最後には捨てるんだ。
もう要らない、必要ない、って。
だから、好きになんてならない。
好きなんて言わない、笑顔なんて見せない。
そのつもりだったのに、離れたかったのに、ずっと、花宮さんの事が離れないんだ、なんで、こうなったんだろう。
分からないよ、どうしたらいいの?
嫌いだって叫べば良いの?
いっそのこと、好きになってしまえばいいの?
………その方が、…楽だな…。
今の俺からしたら好きなった方が楽だ、でも、もう、必要ない、
───もう、好きになっているから。
でも、まだ、まだ認めてないから、俺が、嘘だと思っているうちに、早く、
嫌いになって、
俺を
暗闇に突き落としてよ…。
end
→あとがき