小説─黒子のバスケ─

□愛の行方【赤降】
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愛の行方【赤降】                





赤司は少し背が大きくなったと思う。

自分だから気付かないかもだけど、自分は伸びてない…と思う。

気にしてたことを赤司には分かったみたいで、「成長してなくてもしても僕は光樹を愛してる。」と言ってくれた。

その時は恥ずかしくて返せなかったけど。


それから数日後、赤司からメールかがあった。
それは、会いたい、光樹に着てほしいものがある、会えないか。という物だった。

明日休みだし…良いか。
と、最初は思ったが、そんなワクワクも一瞬で飛び、

着てほしいもの…?まさか高いやつ…!?
俺まだお小遣い貰ってないよ…!
貯金いくらあったかな…どうしよう…。

としか考えてなかった。
思い返すと、会うこと前提だったのかもしれない。

それからすぐに返し、いつもの雑談になった。
暫くメールのやり取りをしていたけれど、眠気が襲ってきてすぐに寝た。
後から親が呼んでいたことも知らずに。



翌日目を冷ますと何時もの部屋だった。
キッチンに行くと何時もの騒がしい音が無い。
休日はうるさい弟もいないし、お母さんもいない。
頭にハテナマークを浮かべたまま机を見ると紙が置いてあった。
いわゆる置き手紙と言うやつだ。


用事があるので行ってきます。
夜にはお父さんが帰ってくるから、ご飯作っておいてあげて。


とだけ書いてあった。
夜お母さんが呼んだ気がしたのは用事を伝えるためだったのか。

朝御飯も置いてあったが、食べる気にもなれず、歯を磨いて赤司が来る間、本を読んだり暇を潰した。

もうそろそろかなー、と思い立つと丁度インターホンが鳴った。
早足で玄関に向かうと赤司が笑顔で立っていた。

…やっぱり、背、伸びたかな。

なんて内心思いつつ笑顔で話し掛ける。

会えて嬉しいよって赤司は言うけど、赤司はいってほしいのだろうか。
会えて嬉しい、と。
面と向かって言えないこと、赤司は知ってるくせに。


「やぁ、光樹、突然ですまないね。」

「全然大丈夫だよ、今日丁度親いなくてさ。」


入って、という仕草をすると小さくおじゃまします、と言った。
お邪魔するほどじゃないよ、と笑った。
そうすると赤司は優しく笑って撫でてくれる。

少しうっとりしてたら赤司が、俺の部屋に来てもいい?って言った。
お陰で現実に引き戻された。

その時俺はなんの疑いもなくOKした。
それが後々めんどくさいことになると知らずに。


──────────



「…うん、期待道理の部屋だね」

「う…、悪かったな、普通で」

「いや、むしろ安心している」


少し膨れっ面で聞いたのだが、赤司は表情を変えずに答える。
何で?と顔に書いたように首を傾げると、「平凡をイメージするような人が、僕みたいな豪邸に住んでいたら反応を取りにくいだろう?」と言う。

そりゃあ、そうだけど。

言い返す言葉もなかった。本当の事だし。
そうそう、赤司は何が着てほしいって言ってたよな?
と、用件を伝えると、持ったいた鞄から服とズボンを取り出した。


「着てくれるか?」

「へ?あ、うん。ちょっと待っててな。すぐ来る!」


と、服とズボンを取り、脱衣室に移動する。
着ようとしてみるのは良いものの、高いだろうな…。
しかもこれ…赤司の匂いがする、当たり前か?

あぁぁー、んー、着ちゃうか…わざわざ赤司が持ってきてくれたんだし…うん。

着替えると赤司の匂いが強くなった、落ち着くような、焦るような。

深く考えず赤司の元に戻るとすぐに抱き締められた。


「?…赤司…?着たよ?」

「……可愛い。」

「…」

「いや、かっこ可愛いと言うべきなのか…うん。やっぱり光樹は格好いいのも似合うね。」


少し呆れて聞いていたが、似合う、何て言われたら誰だって嬉しい。

服を握る力を強めたら今度は赤司が俺の匂いを嗅いできた。
吃驚して抵抗したけど赤司は少し笑って。


「やっぱり少し大きいかな…でもこれはこれで良いか…僕の匂いも少し移っているしね。」

「…?」

「…光樹、僕の匂いがするだろう、何が思わないかい」

「え、?…んー?」


少し間を開けて服の匂いを嗅ぐと、少しだけ…興奮、する。
少しだけ。

してもしなくても興奮するなんて絶対言わないけど。

でも俺が隠しても意味はなく、赤司は俺に上を見させてこう言う。


「今は、興奮するだろう…?」


と。

顔に熱が集まるのが分かった。
でも赤司は目を逸らそうとさせてくれない。
俺をもっと照れされたいのだろうか。
意地悪だ。


「っ、ん、っふ…」

「…ん…光樹。」

「ふ、っ…ん…な、何…?」

「…君に触れたくなってきた、良いかい?」


急にキスしてきたと思ったら、そう言うことだったのか。

って感心してる場合じゃないんだけど。

かといって抵抗するほど理由があるわけでもない。
嫌じゃないし…。
俺も期待してたなんて、言わないけど。


「…、良いよ、…。」


そう言うと、赤司は言葉もなく俺を押し倒した。


──────────




「──っひ、ふぅん、っ…」

「…光樹、可愛い。」

「あ、ぅ…それ、さっき、も…ん、言った、っ」

「…じゃあなんだ。美しい…か?」


あれから俺は着替えることなく赤司に絶頂にさらされた。
それから後ろに指を入れられ、前はローションを付けて扱われ、行為を続けている。

着替えてないとはいえ、ネクタイをほどいて前はボタンを外された。
下はベルトを取ってズボンと下着をおろしそのままだ。

赤司曰く、匂いが付いていたら光樹は興奮するから、だそうだ。
まぁ、確かにそうだけど。

行為中にまずするのは、慣らすために後ろに指をいれること。
そこまでは良いのだが、赤司は俺の弱いところを知ってるのか、分からないがそこら辺を触ってくる。

上から軽くなぞる位はするのだけれど、それだけじゃ足りない。

触ってほしくて自然に腰が少し揺れる。

赤司は少し笑って、どうしてほしいのか言ってごらん、と言う。
正直俺は、言わなくても分かるだろ、って思った。
言ってない。
代わりに出た言葉は、赤司の言葉に従っていた。


「ひ、あぅ…やだ、ぁ…」

「光樹、僕も人間だよ?言わないと分からないことだってたくさんある。」

「っ、う…もう、そこ…いい、から、」


涙を流しながら言う俺を見ながら赤司は俺の涙を舐めとる。

まだ赤司は服を着ている、だから俺はその裾を手に力を込めて握る。


「…、ぃ、れて……ください…。」

「光樹、顔が真っ赤だね、可愛い、ちょっと痛いかも知れないが…我慢してくれ。」

「ん、…わかった…」


赤司も服を脱ぎ始めた。

俺と同じ、ボタンを外しただけだけど。
十分妖艶に見える。

恥ずかしくて目をそらしたら、耳を舐められた。
そしたら赤司なんか、光樹はどこを触っても反応してしまうね、可愛い。と言った。
どうやっても反応してしまう体が、凄く恨めしく感じた。

電気を暗くして顔の表情が見えるか見えないくらいになると、少し安心した。
でも同時に不安になった。
これから入れるとか、痛いとか…。

ゆっくり、ゆっくり入れてもらったけど、俺には苦しくて、痛かったけど我慢した。


「いっ…!…は、っふ…ぅ…。」

「大丈夫か?痛かったら言ってくれ」

「ん、大丈夫…。」

「…そうか、じゃあ続けるぞ。」


最初は息苦しくて痛かったけど、だんだん快感に変わってきて声が押さえきれなくなってきた。

赤司が動いたり囁いたりするたびに体が反応し、快楽が体を走る。
繋がってるんだなぁ、って実感した。

俺と赤司が出会ったときなんか、こんな関係になるなんて思ってなかったのに、思ってなかったことが現実になるなんて、誰も思いやしないだろ?

全部入れ終わって少し動いたとき、ふと気になった事があった。

何で今聞いたのか自分でも気になったけど。


「っふ、…あかし、っ…」

「ん…なんだい?…苦しかったか?」


俺は首を左右に振り、言葉を続ける。


「っ、あの、俺にくれた…服…さ、赤司の、匂いが、する、んっ…ぁ、」

「…ふ、…言ってなかったか?あれは僕のお下がりなんだが。」


聞いた言葉を整理してみた。

・赤司のお下がり
・赤司の匂いがする
・赤司がきてた服
・赤司の匂いが……。

俺は俺だけで恥ずかしくなり、手の甲で顔を隠してしまった。


「っ…ん…なんだ光樹、まさか興奮でもしたのか?締め付けが良くなってる。」

「っふ…だっ、て…ふ、ぁ…赤司の、匂いが、」

「…うん、」

「…すぐ、近くで…息、するたび…に、」


匂うから、まで言えなかった。
ただ、凄く羞恥心がわいた。

その言葉を誤魔化そうとして、言葉を出そうとしたときに、赤司のが大きくなった気がした。

ただ、その時が喋ろうとしてて、急に刺激がくると…何て言うか…油断しちゃうんだよな…、だから…間抜けな声だったような…。


「光樹…君は…君は可愛すぎるよ、」

「っ…へ?…え?」

「息するたびに僕の匂いがするだとか、急に可愛い声出したり、身長とか変なとこ気にしてたり、実は会えて嬉しいのに言えなかったり、まだたくさんあるけど僕を殺したいのか君は…!!」

「え、あ…殺すつもりは…無いです…うん。」

「…これで計算じゃないんだから…」


困ったものだ、と口に出すと、赤司はまた動き出した。

やっぱり急にくる刺激は慣れないもので、しかもそこが丁度前立腺で、気を失うくらい気持ちが良かった。

時々キスしたりキスマークつけたり愛してる印を残してくれたりもした。

暗くても見えてしまう赤司は凄く妖艶なもので、もう何度もドキッとした。
後、俺は気持ちが良いと手に力を込める癖があるそうで、赤司はそれを見破いたらしく、そう言うところばかり刺激してきた。

人間ってさ、気持ち良すぎると快楽に涙が出るって聞くじゃん?
赤司とやってる間はまさにそれでさ、入れられたまま、前を触られて、胸とかも触ってくるんだよ?
おまけに耳とか舐めてくるし、とにかく俺の性感帯を触ったりしてきてさ、その時は恥ずかしいのに声なんか止まらなく出しちゃってさ。

そんなこととか考えてたら、赤司に大丈夫か?って言われた、多分ボーッとしてたんだと思う。

大丈夫と返してそっとキスをすると、腰を揺さぶる動きが速くなってきた。
多分限界に近いんだと思う。


「ひぁ、っ…!…っふ、あうっ、ふ、いっ…!」

「ん、…っふ…光樹、名前で呼んでくれないか…。」

「ん、ぃ…あ、せ、ぃ…じゅろ…」

「ふっ…愛してるよ、光樹。」

「あ、ぅ…俺も、せい、じゅ、ろのこと…好きだよ…」


それからすぐに絶頂を迎えた。

肩で息をしてまだ震えている恋人に口付けすると、顔をさらに赤くした。

率直に感じたことを言おう。
エロい、可愛い、襲いたい、泣かしたい、連れて帰りたい。

あぁ、僕の光樹可愛い、本当に、ピュアエロ可愛いよ!!!!!

まだまたムラッときて光樹の耳元でささやいた。

この格好のままもう一度するか、違う服にするか、いつも君がきている私服か。
全裸か、バスローブか、ユニホームか、ジャージか、制服か、洛山制服か、その他学校制服ジャージユニホームか、僕の私服か、好きなのを選らんてくれ。

と、伝えたら、光樹は「赤司の…好きなので良い、」って、光樹が!!

じゃあ洛山高校の制服にしようか、僕のだからね、と伝えたら光樹はまた顔を赤くした。(でも着てくれた。)


僕はマンネリ予防のために新しい仕方を覚えました。
これが、僕の愛の行方です。(光樹マジ天使)


ちなみにそのあとたっぷり愛しました。





end


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