小説─黒子のバスケ─
□黒子のバスケアンソロジー(?)
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黄笠
笠松「っ…くっ…──っふ…」
一人の部室で一人で泣いていた。
思い出したら訳もなく涙が出てきて訳がわからなくなる。
なんで泣いているのだろう。アイツなんか来るわけないのに。
でも、開いたドアに立っていたのは、金色の髪の見慣れたやつが立っていた
黄瀬「…笠松先輩…誰に泣かされたんスか」
笠松「っ、…黄、瀬…」
俺が心配そうに話し掛けても涙を拭いながら、俺の服をつかみ、やだやだと言わんばかりに首を横に振った。
何で?って聞いたけど、違う、としか言わなくて、何をしていいか分からずに静かに隣に座った
頭を撫でても泣き止まない先輩を優しく抱き締めると、安心したように泣き止んだ。
黄瀬「…先輩、俺はちゃんとここにいるッスよ?」
笠松「ん…ぐすっ…」
黄瀬「何処にも行かないから、もう泣かないで?」
笠松「泣いて、ねぇよ…っ…」
顔が見れるくらい離れて、赤くなった瞼に口付けをすると、小さいかわいい声が漏れて可愛いなって、改めて思 う。
黄瀬「…先輩、何で泣いてたんスか?」
笠松「………」
黄瀬「あ、嫌なら良いッスよ!無理に聞こうとしてないし…」
笠松「何を言っても、…笑わないなら…言ってやる」
それを条件に俺は聞くことにした。 先輩が泣くくらいの事って…何だろう。
もし誰かに泣かされたとしたらそいつぶん殴る、ぶん殴ってから謝らさせて、笠松先輩の分も思いっきり殴らなくちゃ…
なんて考え事をしていると笠松先輩の口が開いた。ゴクリ、と、喉がなる。 覚悟して聞いたその言葉は……。
黄瀬「…っ…」
笠松「俺さ、お前にあってんのかな」
黄瀬「え…?」
聞いた言葉は笠松先輩らしくない言葉。
もしかして俺が女の子にモテんの、気にしてる?それとも、心から釣り合わないって?
それとも、俺に飽きちゃった?
笠松「お前って、認めたくないけどスタイル良いし、運動も出来るし、優しいしよ…お前みたいな完璧なやつが俺と付き合ってて楽しいのかなって…」
黄瀬「先輩…」
笠松「…わり、こんな事言われても困るよな…?」
黄瀬「…笠松先輩!!」
笠松「!…な、んだよ…」
黄瀬「俺は、笠松先輩しか頭に無いッス、四六時中笠松先輩の事しか考えてないんス、他人が何を言おうと笠松先輩が大好きなんス!だからっ」
もうヤケだった。笠松先輩がそんなことを気にしていたんて知らずにへらへらしていた自分が嫌だ。
だから頭に浮かんだこと全部言おうとした。
笠松「おい!黄瀬!!」
黄瀬「っ…先輩?」
笠松「ぐだくだとうるせーよ!馬鹿!何もそこまで言えなんていってねぇだろ!」
黄瀬「いたっ!痛いッス!肩パンは止めてほしいッスよ〜」
笠松「……黄瀬…」
黄瀬「…?」
笠松「わかった、から」
黄瀬「先輩…」
笠松「あり、がとな…//」
最後につれてだんだん言葉が小さくなっていく。
赤面で涙目って誘ってるようにしか見えない。
気が付いたら俺は先輩にキスをしていた。
黄瀬「先輩」
笠松「?…黄瀬…っ、んん…っふぅ、が、っ…」
黄瀬「っは…先輩、笠松先輩」
やっとキスをし終わり抱き締めると笠松先輩も抱き締め返してくれた。
黄瀬「先輩、好きッス、もうずっと」
笠松「っ…//」
黄瀬「先輩は?」
笠松「言わなくたってわかんだろ…///」
黄瀬「もうかわいいッス!先輩大好きッス!」
この後いっぱい愛し合ったのは言うまでもない。
4ページ目、火黒