ars's dream

□ディズニーデート O
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智くんは私の二つ上で、付き合い始めてもう5年が経つ。

大学を卒業し、私は地元に就職。智くんは東京で仕事をしている。

今日は月に1度の、智くんが地元に帰って来て、2人が同じ時間を過ごせる日。


「ねーねー、ディズニー行こうよ」
ソファに2人で座ってテレビを見ていると、智がふと思い出したように言った。

「え!!行きたい!!」

智くんはあんまり人が多いところが好きじゃない。
ディズニーなんて、あんなにたくさん人がいるところ嫌だろうなって決めつけて提案したことなんてなかった。

「俺行ってみたかったんだよ!」

そう言って目をキラキラさせる智くん。

「混んでる時は人めちゃめちゃ多いけど大丈夫?」

「少しくらい平気でしょー!写真とか見てたらさー、すっごく綺麗なんだもん。俺シー行きたい!」

のどの皮をびよーんと伸ばしながら。自分では気づいていないかわいいくせ。
ってかめちゃくちゃ嬉しいなぁ…!

「智くん…?」

「ん?」
少し、眉をあげて。

「あのね、私、智くんとディズニーずっと行きたかったの。だからすっごくうれしいよ…!」

私に向き合い、頬を赤らめる智くん。

「じゃ、行こっか!」

満面の笑みで頷く私。
ふふ、と笑って抱きしめてくれる。

「また1ヶ月会えなくなっちゃうなー」

智くんがつぶやく

「ディズニーがあるから大丈夫
…かな!」

「んふふ、そうだね 今のうちにいっぱいぎゅーしとこっと」

別れ際、智くんはいつもこうなる。愛しさ溢れる気持ちは、会えなくなる切ない気持ちにさらに拍車をかける。

でも大丈夫。すごくすごく好きってその気持ちでいつもそばにいられる気がするから。

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