ars's dream
□仕事帰り O
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ガチャッ
あれ、鍵あいてる。智くん帰ってきてるのか。リビングの電気がついている。
「ただいまー!智くん、鍵はちゃんとしめなきゃだめだよ?誰が入ってくるか分からないんだからね?」
………ってあれ?いない…
どこにいるの??
寝室を覗くと…まさにバタンキューの智くん。仕事の服のままベッドに仰向けに。
「智くん、だめじゃん。早くお風呂はいらなきゃ…」
それにしても、この人なんて綺麗な顔してるんだろう。凛とした眉、スッと高い鼻、長い睫毛、口角の上がった色っぽい唇。ランプが仄かに照らし、まるで一つの絵画のようで…。ずっと見てると、吸い込まれそうになって、思わず頬を撫でてしまう。
「…あれ?さき…おかえり…」
ふにゃふにゃと言葉を発する智くん。愛おしくて愛おしくてたまらない。
「ただいま。智くん、そのままねちゃったの?だめじゃん。」
「だって…」
その後の言葉を紡ぐものの、聞き取れない。かわいいなぁ…
しょうがないか…立ち上がって、智くんから離れようとしたとき…
グッ…ギュ…
手を引かれて、気付くと私は彼の腕の中。さっきまで猫みたいにふにゃふにゃしてたのに、私を抱きしめる腕は力強くて急に男を感じさせる。
「ちょ…?智くん…?」
「もういいじゃん、さきもしばらくこうしていようよ…?」
耳元でふっと笑い、ささやく。
体温が上がる。幸せで幸せで、どうにかなりそう。
…もういっか。、化粧あとで落とせばいいよね。
私は智くんに答えるように唇を重ねる。
「さき…好き。」
二人揃って眠りの中に…。。