ars's dream

□仕事帰り O
1ページ/1ページ

ガチャッ
あれ、鍵あいてる。智くん帰ってきてるのか。リビングの電気がついている。

「ただいまー!智くん、鍵はちゃんとしめなきゃだめだよ?誰が入ってくるか分からないんだからね?」

………ってあれ?いない…

どこにいるの??


寝室を覗くと…まさにバタンキューの智くん。仕事の服のままベッドに仰向けに。

「智くん、だめじゃん。早くお風呂はいらなきゃ…」


それにしても、この人なんて綺麗な顔してるんだろう。凛とした眉、スッと高い鼻、長い睫毛、口角の上がった色っぽい唇。ランプが仄かに照らし、まるで一つの絵画のようで…。ずっと見てると、吸い込まれそうになって、思わず頬を撫でてしまう。


「…あれ?さき…おかえり…」

ふにゃふにゃと言葉を発する智くん。愛おしくて愛おしくてたまらない。

「ただいま。智くん、そのままねちゃったの?だめじゃん。」

「だって…」

その後の言葉を紡ぐものの、聞き取れない。かわいいなぁ…
しょうがないか…立ち上がって、智くんから離れようとしたとき…

グッ…ギュ…

手を引かれて、気付くと私は彼の腕の中。さっきまで猫みたいにふにゃふにゃしてたのに、私を抱きしめる腕は力強くて急に男を感じさせる。

「ちょ…?智くん…?」

「もういいじゃん、さきもしばらくこうしていようよ…?」

耳元でふっと笑い、ささやく。

体温が上がる。幸せで幸せで、どうにかなりそう。
…もういっか。、化粧あとで落とせばいいよね。

私は智くんに答えるように唇を重ねる。

「さき…好き。」

二人揃って眠りの中に…。。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ