馬鹿やって幸せ
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キョウヘイとメイの家にお邪魔して、双子と一緒に出たけど僕たちはチェレンに挨拶してからヒオウギを出たからちょっと遅れてのスタート。
因みに僕、チェレンにスペアの赤ぶちメガネ頂いちゃいました〜!ナルが僕がメガネチェレンが好きだと押したから「そんなにメガネ好きなら僕のスペアで悪いけど一つあげるよ」と言ってくれた。
僕は別にメガネが好きなんじゃなくてメガネキャラが好きであって…あぁ、でもチェレンのメガネが頂けるのは魅力的で僕は訂正しないで有り難く受け取った。
「レンズだけ抜いたら?」
『そうしたいけど僕、昔伊達眼鏡作ろうとしてレンズ外そうとしたら真っ二つに折れたトラウマが…』
「僕がやってあげるよ」
という訳で僕はとても価値のある赤ぶちメガネを手に入れた。ナルはチェレンのライブキャスターのアドレスをゲットしていたけどこのメガネの方が価値があるね、着用済みだよ?
「お前も大概ムッツリの変態だな。」
『心読まないで、どっちかといえば僕もオープンな変態だっ!!』
「威張んな」
サンギタウンからタチワキシティに行く途中に僕らはそんな会話をしながら歩く。戦闘は主にルリリが率先し、彼女の前に立つものは全てなぎ倒していく。
彼女曰く、「ご主人がいってた!さいきんのひりょっヒロインはしゅじんこうより強いほうがモテるんだって!!」と自分のコンプレックスをむしろ前向きに捉えることができるようになったらしい。
タチワキシティに続くゲート前でナルは立ち止まり、悩んだ顔で僕らに顔を向ける。
「次のタチワキシティでコイルを捕まえようと思う」
『こいりゅ?』
『別にいいけど、アタシには関係ないし』
『大ありだろ。で、なんでコイル?』
「俺がコイルを好きだからです!!!」
『あら、珍しいわね』
『別に僕らは構わないけど…』
「それにタチワキジムの攻略も楽になるんだよ、実際ジバコイル強いしー、なんで浮遊にしなかった」
『手に負えないからじゃない?』
とにかく、ナルはコイルを捕まえる許可が降りたから上機嫌でタチワキシティへと踏み出した。
「あっ!ナルさぁん!!」
「オーマイガー…」
確かタチワキシティに入ったら新キャラとのイベントがあったが、それは主人公の話で、主人公でない僕らのエンカウントは同じ異端の彼女だった。
さっきのウキウキとは打って変わって頬はこけ、影のある顔に様変わりしてもイケメンなナルはなるべく悟られないように早々にぎこちない笑顔に切り替えた。
「エンリーちゃん、元気みたいだね」
「そんなぁっ、エンリー、ナルさんに会えなくて元気なんて出せませんよぉ…」
「ほか三人は一緒じゃないの?」
「そうだ!皆タチワキコンビナートに行ってるんですぅ!エンリーたちも、行こ?」
「勝手にイっててくれぇ…(小声)」
「ウフフッ!はやくぅ!」
フラフラとしたナルの腕を無理矢理掴み引きずるようにタチワキコンビナートへ向かう。ホイッスルを鳴らそうかと思ったが、これはちょっと押しが足りないかな…。仕方なく僕も二人のあとを追った。
「ねぇ、ナルさぁん!ガーディ捕まえませんか?」
「いや俺は捕まえたいポケモンが違くて…」
「きっと似合います!ナルさんとウインディ!カッコ良くて、騎士みたい!」
「確かにわんわんお可愛いけど…だったらブビィにオーバって名前つけた方が楽しそう」
「ぶっブビィ!?駄目ですあんなの!イケメンなんだから絶対ウインディじゃないと駄目!!」
「あの、すいませっ、俺今はガーディ求めてなくて」
「早く捕まえてください!!絶対絶対絶対!!!ウインディとかアブソルとかカッコ良くて強いポケモンのパーティじゃないと駄目なの!!!!」
「…うるさいーウインディはキョウヘイと被るやろー」
うん、流石に僕はホイッスルを吹きました。だってねぇ?周り見てよ、めっちゃこっちみんな見てるじゃん、ものすごく恥ずかしいよ。
『エンリー、2点減点。』
「ハァ!?なんでよ、いい加減にしてよ!!アタシ何も減点されるようなことなんてしてないわ!!!」
『まず公共の場で他の人のいる中で大声で騒ぐ、小学生かよ。次に人の手持ちを強要するって、常識としてどうよ。小学生でもやらんわ』
「…ー!!ゴンべ!バトルよ!!!」
な・ん・で?
エンリーはボールを叩きつけるように投げると色違いのルリリが出てきた。周りの人は感嘆を漏らすとエンリーは鼻高々にしてドヤ顔。
『見た目かわいくても中身はてんけいてきなブスだな。まだ怪力女のほうがマシ』
『いまごりょっわたしのかわいさにきづいたきゃ!!』
『僕の代わりに戦って…!!ナルもなんとか言ってよ!』
「コイル!コイルしゃおおお!!!」
『狂ってやがる…!!』
友人は僕がピンチなのを承知の上でコイルに発狂する。もうこんな奴友となんて呼ばねぇ!!まぁ多分この前のバトルで僕が指示無視したのが悪いんだろうけども!!
エンリーは戦う準備もできてないコチラに泡と指示をし、それに従ったルリリから泡が放たれ、責めてコチラのルリリを守るために前に出た。
目をつぶって、衝撃に耐えたけど、僕は濡れずにいた。なんでかと目を開けると、僕の前にはフタチマルが立っており、守るをして助けてくれたらしい。
「おい、いい加減にしろよ…。」
「ヒュウ!!なんで邪魔するのよ!」
「なんでなんの抵抗もしないゴンベを攻撃するんだよ」
「な、なんでって…ソイツが、その、弱いから鍛えてあげようと…」
「そんなのトレーナーのナルさんに任せればいいだろ!」
『減点したら逆ギレされましたー』
「うるさい!!そんなことない!!!嘘つき!!違うのヒュウ!!!」
コイル探しに出たナルに助けてもらうことができないので僕はフタチマルさんの後ろに隠れてチクってやった。非力なポケモンの今なら許される行為だよね?
エンリーは青やら赤やら顔色を変えてワーギャー騒ぎ僕を睨み付ける。フンッ、僕はさっさと落第させてゾロアを解放してやりたいんだからそうやって本性を晒していくがいい。
「信じてヒュウ!!」
「…エンリー」
「ヒュウ…!やっぱりヒュウはエンリーの味方よね…?」
「もう俺らに関わるのはやめてくれ。」
「…え?」
「お前のせいでみんな迷惑してんだよ。メイだって傷付くし、ゴンベだって今まさに傷つけられそうになってた。そんな奴と行動なんて出来ねぇ」
「何言ってるの…?ねぇ、ヒュウ…」
「ゴンベ大丈夫か?」
『え、あぁ、フタチマルさんのおかげで助かりました…』
『無事でなによりだ』
「そっか、フタチマルありがとな。戻っていいぞ」
「ヒュウ…ねぇ、ヒュウってば…!!」
「ところでナルさんはどうした?」
『あー、コイル狩りに出かけた』
なんだかエンリーが騒いでいるが、ヒュウはどうやら無視するつもりらしいからそれに協力することにした。
でもまさか消えろ発言とは、やるなヒュウ。今回君のおかげで最終回が早くなるって教わったよ。
暫くしてエンリーはいつの間にか居なくなっていて、それと入れ違いにナルが慌てた様子で戻ってきた。
「あばばばばばびばべぼ!!!」
『頭おかしくなってる…!』
「落ち着いてください、そんなボールを大切そうにするくらいなら尚更。」
「あべっ、キョウヘイ君なんでいるの?」
「俺はヒュウです、深呼吸して」
モンスターボールを両手で持ったナルはヒュウの指示に従い深呼吸を五回くらいしてから落ち着き出した。
そして名前を間違ったことに謝罪した。
『で、コイル捕まえてテンション上がったの?』
「ハッハッ…いや、それだけじゃここまでは…」
「じゃあどうしたんすか」
ナルはもう一度深呼吸してから持ってたボールを優しく投げる。
すると中からキラキラと輝きを放つポケモン、コイルが現れた。
『アァ、貴女、先輩デスカ。コレカラヨロシクオネガイシマス』
「まさかの色違い捕まえちった…(震え声)」
「すげぇ!良かったっすね、な?ゴンベ」
『あ、』
「…ゴンベ?」
『あばばばばばびばべぼ…』
「お前もかよ!!」
仕方ないでしょ、僕、色違いのポケモン見るの赤いギャラドス以外初めてなんだから。
さようならピエロさん