馬鹿やって幸せ

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「チェレンさんに勝てたら減点を帳消ししてください!」

「帳消しは無理っス…せめて加点一点で…。」



ポケセンで馬鹿の回復をチェレンと待っていたらいきなり現れたエンリーは詰め寄るように言ってきた。
俺からしても彼女に加点要素が見当たらないし、設定を発案したリオは今たんたんたらたーん中だから勝手に帳消しするわけには行かないし。



「…わかりました!チェレンさんおねがいします!」

「構わないけどここポケモンセンターだから。ジムに来てくれるかい?」

「はい!早く行きましょう!!」

「え、ちょ、俺まで?リオの回復がまだ…」



エンリーは俺とチェレンを両手にポケセンから意気揚々と出て行く。ま、いっか。後で迎えに来れば。
ジムに戻る途中チェレンはエンリーから抜け出しつつ質問をする。



「何か加点って話だけど負けたら減点一点するのか?」

「な、なんでですか!?」

「だって利益しかないのはズルいだろ?」

「そう、ですけど…!」

「まぁまぁ初めてのジム戦だし多めに見とこ?」



勝手にしてくれ、俺に絡まず。
俺もようやくエンリーから逃げ出しチェレンの腕に絡みついた。こうすればチェレンも俺も腕に絡まられなくなるから一石二鳥だな!
凄く嫌そうな顔してるチェレンだけど、振り払ったり文句言わないから離れませーん。嫌がらせも兼ねてるからな!

近いジムだからすぐ着いた。今回は特別にジムトレーナーはパスして速攻でチェレンVSエンリーだ。

因みに俺は戦ったよ?ムウマさんの嫌がらせ戦法で時間かけたさ。



「もう審判はやらんぞ。」

「君それしかやることないのに放棄するんだ。」

「ハジメッと何とかの勝ち!しか言わないだろ!なしでやれいっそ!」



ため息つかれた。なんであいつ俺の事格下に見てるの?なんで馬鹿にするの?

チェレンはミネズミを、エンリーは貯めに貯めて勿体ぶってから色違いのルリリを出して来た。
物凄い俺のルリリのボールが荒ぶってる。取り敢えず出してみたもののものすごい勢いでエンリーのルリリに突撃しようとした。



「ちょちょちょ!ルリリん!?」

「るりぃ!!!!」

「るり?」

「るっり!!!」

「るりるー」



俺はルリリをタックルで抱える。それでも暴れ色違いのルリリに何か言って、言い返されてギャーギャー騒ぐ。



「ナルさんもルリリを…!?」

「奇遇だね…。取り敢えずルリリ、落ち着こ…」



因縁の相手のようだが今回のメインはエンリーのバトルである。ルリリのサブストーリーで尺を取るわけには行かない。多分男嫌いになった原因がアイツって事でいいのは把握しとこう。



「水宝、そんなこと言っちゃダメでしょ…!!(ナルさんに嫌われたらどうすんのよ!)」

「…始めてもいい?」

「あっ、ごめんなさい!水宝、泡よ!!」



で、結論から言うと。


エンリーがミネズミに二匹使って倒してヨーテリーに全滅させられ終了。回復をしてるかもう一匹手持ちがいれば勝ててかな…。

倒れたゾロ太郎のそばで項垂れて目の前が真っ白になっているエンリー。
チェレンも俺も触らぬ神になんとやらってやつでお互いにアイコンタクトで、行け、話しかけろ、慰めろ、自分は嫌だ、そんな意思をお互い飛ばし合う。



「エンリーちゃん、負けちゃったの?」

「きょ、キョウヘイ!」

『全く、僕を置いてくなんて酷過ぎる』



神キタコレ。
ジムトレーナーを倒し颯爽とリオと手を繋いで現れたキョウヘイ。…なんで手を繋いで現れたのかはさておき、エンリーに爽やかに声をかけるキョウヘイ。

エンリーは慌ててゾロ太郎を抱き上げ優しさアピール。どちらかって言うとボールに戻す方が優しさだと思う。



「俺もジム戦しにきたんですけど…明日の方が良いですか?リオから聞いたんだけどナルさんともバトルしたらしいし…。」

「平気だよ、ジムリーダーたるもの一日に五人以上相手にする事も想定してなければいけないからね。」

「さっすがマニュアル真面目人間!」

「雑用係は黙っててよ」

「それは言わない約束だろ!あぁ、エンリーちゃん早くポケセン行ってきな!俺はまだチェレンと皆のバトル確認するから」



エンリーからギリっと歯がなる音が聞こえた。
ふ、ふえぇ…逆ギレこあい…
それからダッシュでポケセンに向かうエンリーの背中を俺らは見送った。



「チェレン、俺はキョウヘイが勝つのに賭けるよ」

「じゃあ僕は君がまたあの子と面倒な絡みが待ってるって賭けるよ」



それは洒落にならないのでやめて欲しい。















一人ワルツ

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