馬鹿やって幸せ

□09
1ページ/1ページ




「ミジュマル戦闘不能、キョウヘイの勝ち!」

「リオルよくやったな!」

「ミジュマルも、お疲れ」

「ヒュウ兄惜しかったね〜」

「な、惜しかったよな、ハリーセン」

「ハリーセンって言うな!」

「ヒュウもキョウヘイも凄かったよぉ!エンリー興奮しちゃったァ!」

『凄いしか語録ないのか。』



相変わらずツンデレなヒュウと照れておどおどしてるキョウヘイ、いつまで経っても馴れ馴れしく話しかけてくるメイ、いつも笑顔のナルさん。

素敵な環境ではあるけど、ちょっと満足行かないことがある。それは、手持ち。別にゾロアという種族には不満はない、確かにメイのポケモンに負けるような雑魚ではあるけど。

不満があるのは私のではなく、ナルの手持ち、にである。

彼は本編に出て来なかった、私と同じ異物。多分神様が私に用意した騎士のように私を守る存在。

それなのに手持ちはムウマ、それならまだしも相棒がゴンべ?ださい、ダサすぎる。

私が持つべきが可愛らしく、美しい色違いポケモンや、そうね、進化も退化も自由なイーブイが相応しくて、騎士であるナルさんはアブソルや、エルレイドとかかっこいいポケモンじゃないと駄目よ。



「エンリーちゃん?ぼーっとしてるけど、大丈夫?」

「…えぇ、大丈夫よ、メイ、ちゃん」

「そう?私はあっち探すからエンリーちゃんはここら辺よろしくね!」



何を探すのかしら?瞑想していたら話が進んでいたらしく全員散り散りになっていて、話し掛けてきたのがメイであった。
コイツもムカつくわ。なんで、私の騎士のナルさんと親しげなのかしら。

ストーリー的に探すのはあの犬よね?でも面倒だし誰かの好感度アップとして一緒にいたいけど、そんなに心配なのかもう男子は誰もいなかった。



「そうだ!廻、ちょっとバトルしない?」

『!や、やだ!バトル、痛いし、怖いもん…!』

「…。大丈夫、アレはトレーナーとのバトルだったから!野生なら平気よ!」

『やだぁ!!』



廻はそう言うと私の腕から飛び出して行ってしまった。

なんなの?!雑魚だから仕方なくレベル上げようと思ったのに!!

走るのは嫌だけど追いかけると、暫くしたら捕まえる事ができた。手間かけさせて…。



「いい!?貴方は弱いの!!だから戦わなくちゃいけないの!!わかった!!?」

『ひっ…!!!』



そう言ったら廻は体を震わせながら私の腕の中で大人しくなった。最初からゆうこと聞けばいいのに。走ってちょっと疲れたから干し草の上に座ったら肉のような柔らかい感覚がお尻の下から感じた。

ビックリして立ち上がったら緑色の何かがもぞりと動いた。…何かしら、草タイプ?



『なにすんだよ!』

「る、ルリリ…?」



丸いフォルムが特徴的なルリリは確か青かった、いえ、絶対に青かった。でもこのルリリは緑色。

あぁ、あぁ!やっとなのね!?色違いポケモンのゲットイベント!しかもルリリは可愛らしいポケモンだし、今は汚いけど進化したら色変わるわよね?



『…なににやにやしてんだよ、どうせいろちがいのぼくに目の色かえてんだろうけど?おんなはやっぱりそうなんだよな、うぜぇ。まぁ馬鹿力よりましだけどよ』


「ウフフっ、大丈夫、貴方は私に用意されたポケモン大人しく捕まりなさぁい?廻、体当たり!」



廻は怯えながらもルリリに体当たりをしたが、その後泡を位少し怯んでいる。そんな効果は無いはずだから廻の性格のせいね。ホントに雑魚!



「今度こそ決めなさいよ!?イカサマ!!」

『!?そんなの出来ないよぉ!!』

『くらえ!』



なんで!?なんでまた発動しないの!?

テンパってる廻にルリリは攻撃を何度も繰り返す。その内廻は戦闘不能になってしまった。なんで!?

ムカつくムカつくムカつく!!!!

私はヤケになって適当にボールを投げまくった。そしたら偶然、いえ、私の才能のおかげで色違いのポケモンを捕まえたわ!!やったぁ、名前は何にしようかしら、ヒュウやキョウヘイは私を祝うでしょ!?ナルさんは褒めてくれて、メイは妬むに決まってるわ!

私はボールを持ってクルクルと回ってると足元で廻を蹴飛ばしてしまった。

…あぁ、この雑魚ね。なんだかルリリを捕まえちゃったからか存在が霞んで見えるわ。



「エンリーちゃん!ハーデリア見つけたって!…きゃぁ!そのゾロア大丈夫?!」

「…っ、大丈夫、このルリリを捕まえるときにやられちゃって…。色違いよ!」

「そうだったの…、待ってて、この前の元気のかけら、まだ残ってるの」



この女、私の声聞こえてなかったのかしら。色違いのポケモンって言ってるんだから興味持ちなさいよ。

メイはその雑魚に元気のかけらやら傷薬を使って抱き上げる。廻は私にすら向けたことのない笑顔とお礼を簡単にメイに向ける。



「っ私の廻よ!勝手に抱かないで!!」

「きゃっ。…ご、ごめん、そうだよ、ね、勝手に抱っこして、ごめんね…。」


ピイイィィィイイ!!


『エンリー、アウトー』(デデーン)



いつの間にか居たデブポケモンに『心の狭さに減点1』と言われた。後、3点…。

私はムカついてしょうがなくて、一人でヒオウギシティに駆け出した。















裏切りの予兆

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ