馬鹿やって幸せ

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『ナルー、これ拾ったー』

「またかよおかげで俺は大金持ちなんだけど」



ムウマさんのレベル上げを終えてサンギタウンの時計台の下で持ち物整理をしてた。
なんでポケセンじゃないかといえば、この町、イベント無さ過ぎない?こんな立派なオブジェクトこさえて通過点、回復ポイントってだけなんてさみしいだろ。

だからせめてこの街の良い所を心のメモリーに抑えようと…どうでもいいか。

取り敢えず節操なく拾ってくるクソポケモンがいるから定期的に整理しないとベルみたいになってしまう。ベルがやるから可愛いのであって、俺がボールを鞄からひねり出しておっとっと〜なんてやっても可愛くないのだ。



「お前、なんか改めて見るとものひろいリストにないものたまに拾ってくるよな。」

『アルセウス(ご都合設定)の加護じゃない?』

「やっぱりアルセウス(ご都合設定 )の加護かー」



進化の石は全部コンプリートしたし、きのみだって何でもかんでも拾ってくるし、シルフスカーフから補助アイテムも拾ってくるし、アララギ博士はウハウハ状態でした。

今回はよく拾ってくる金のたまを渡してきた。おかげで俺は貧乏知らずだよ。デカイ金のたまとか団子真珠とか拾ってくんのコイツ。



「あ!ナルさん、リオちゃん!まだサンギタウンに居たんですね!」

「あぁメイちゃん。ちょっと鞄の整理をね…。メイちゃんは一人?」

「そうなんですよ、ヒュウ兄はエンリーちゃんと先に行っちゃったし、キョウヘイは爆発した赤髪の人に連れて行かれちゃって…。」

「あぁ…、お互い寂しいなぁ。」

「そうですね、良かったらサンギ牧場まで一緒に行きませんか?」

「お、メイちゃんからデートのお誘いとは嬉しいねー。」



メイちゃんにからかい半分でデート発言をすると一瞬キョトンとしたあとに、にぱっと笑うかわいい。



「はい!でもエスコートは男性のナルさんがしてくださいね?」



そう言うとメイちゃんはいたずらを成功させた子供のような笑顔を向けて俺の手を掴んだ。


多分天使が俺の何処かに矢を突き刺した。


「がふっ」

「ナルさん!?」

「す、すまない、膝に矢を受けてしまってな…」

『何やってんの馬鹿』

「男でないお前にこの気持ちはわからんよ…。」



大丈夫エレクトはしてない。チグハグな体と心は男性を愛すべきか、女性を愛すべきか分からない中間をさまよっています。今のせいです俺は男性よりになったよ、肉体的にはノーマル、精神的にはレズになってしまう。

急に膝をついて意味不明な発言をした俺に対し、怪しまずに心から心配してくれるメイちゃんかわいい。俺は心配かけまいと立つことにした。



『たまにこういう意味わかんないことするけど記憶障害だから気にしないで』

「記憶障害って大変なんですね…」

「そうだよ(便乗)記憶障害はとても便利なんだ…」



便利な記憶障害のおかげで俺らは短い道のりだがメイちゃんと早速行動はじめた。途中ガレージとバトルフィールドのあるお家が合ったけどキョウヘイが中で頑張ってるからスルー。



「わぁっ、可愛いポケモン!」

「(可愛いのはメイちゃんの方だよ)ヒマナッツだな。草タイプ。」

「そっかー、ツタージャと被っちゃうから捕まえるのはよしておこうかな。」

「そうだな、乱獲するのは良くない…って博士の助手の俺がゆうのもどうかと思うけど。」

「確かに!むしろ捕まえてポケモン図鑑埋めろー!くらい言うべきですよね!」



可愛い。終始笑顔のメイちゃんに癒されつつ、ふと思った。と言うか違和感が凄い。



「…メイちゃん、俺に敬語使わなくていいよ。」

「へっ!?でも、年上ですし!」

「いやぁ、確かに俺年上だけど一緒に旅する事になったせいでなんか皆と同い年な気がしちゃうんだよな。」

『それは無理あるだろ』

「うるせー、心は何時までも少年なんだよ、というわけでどうかな?」



メイちゃんは俺の提案に腕を組んで眉間にしわを寄せて真剣に考えてくれた。こんなに悩んでくれると逆に申し訳ない。それからちょっとして何かを思いついたのか人差し指を立てて可愛いドヤ顔。



「サンギ牧場に着いたらバトルしてください!私に勝てたら敬語やめます!」

「おぉ?おぉ?おおぉおお?言ったな?言ったなぁあ?」

「はい、いいましたよ!私のツタージャ、強いんですからね!」



本日何回目でしょう、可愛い。
両手でガッツポーズを作って笑顔で言ってのける。
メイちゃん、ごめん、メイちゃんのR指定画像とか探してたとか、本当にごめん。



「…そうだ、メイちゃんお兄さんの金のたまをあげよう。大丈夫、お兄さんの金のたまいっぱいあるから、お兄さんの金のたまだからね、特別だよ。」

「あ、ありがとうございます…?」

『オチがこれぇ!?』














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