馬鹿やって幸せ

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あれから不満そうなエンリーを加点も可能だから次から頑張れと説得する事で場を収めたリオとナルは先にムウマの腕試しということで、19番道路に来ていたが…。



「…エンリーちゃん、皆と一緒にベルの説明を聞いてたのでは…?」

「流石にポケモンセンターの使い方くらいわかるから戦い方を学ぼうかなぁってぇ?」




ナルの腕にはエンリーが抱き着いていて動きにくそうである。先程の件を反省してないような行動だが一応彼女も好感度を上げて加点を狙う策士だ。
確実にマイナスに働いてるようだが。



「ミャウ?」

「ナルさんチョロネコですよ!バトル早く見せて下さい!」

「わかったからちょっと離れて…。」

『そうだね戦闘妨害で減点しようかな。』



リオの魔法の言葉は効果抜群でエンリーは腕から勢い良く離れた。 それからチョロネコに向き合いムウマを出すと不機嫌そうなムウマが出てくる。

確かに同期のゾロアはとっくにボールから出て戦闘をしていたが今更出されたムウマは野生の、しかもチョロネコが相手なのだから不満なのも肯ける。



「ムウマさん、これから俺と一緒に旅する事になったんだ。腕鳴らしにバトル宜しくな?」

「まぅっ」

「仕方ないわねって言ってます!」

『…へ?何でわかるの?』

「ナルさん、実は私、ポケモンの言葉を理解できるんです…!」

「ムウマさん怪しい光!」



頬を赤く染めるエンリーに対し反応を示さず冷静に支持をすればムウマも冷静に従う。
スルーされた事は気にしてないのかエンリーは甲高い声で応援を始める。その声でムウマは集中できないようだ。

それに気付いたナルはムウマに声かけをしていく。



「ムウマさん、俺の声だけ聞いてくれ!ムウマさん!」

『ヤダ無理だって』

「諦めんなよ…諦めんなよお前…!どうして諦めるんだよそこで!ダメダメダメ諦めちゃもう少し頑張ってみろよ!思ってる人の気持考えてみろよ!俺だって寒い中しじみがトゥルルって頑張ってんだよ!頑張れば絶対できる!だからこそ!」

「『ネバーギブアップ!!!』」

「むまぅ!!!!」



ムウマは世界一熱い男のセリフに感動してやる気を出し、チョロネコにシャドーボールを放った。

と思ってるだけで実際は物凄くウザく暑苦しく、怒りに任せてチョロネコを攻撃しただけである。が、それが急所に入ったのかチョロネコはたおれた。



「これが松〇修造作戦αだ…。」

『βもあるんだぁ…』

「す、スゴイですね!初めてのバトル!」



流石のエンリーでも引いてしまえる松岡〇造作戦α。ムウマの初めてのバトルに泥を塗った戦いであった。

ナルはアフターケアを怠らず、倒したチョロネコを木陰に寝かせ、リオが大量に拾ってきてしまう木の実を数種類置く。
つい癖で合掌をしてしまって供養してる様にさえ見えなければ物凄くいい人で話が終れたが。



「エンリーちゃんもゾロ太郎の特訓してきなよ、俺もここら辺でムウマさんの経験値上げてるから。」

「えぇっ、でもぉエンリー一人じゃ心細いし…、ナルさんともっと一緒にいたいなぁって…」

「アレ?ヒュウ君じゃん。双子は?」

「ナルさん!俺はポケセンについて知ってるし、キョウヘイに負けたから今の内にレベル上げて次こそ勝たねぇと!」

「その息だ!ただ俺は次もキョウヘイが勝つに賭けるぜ!」

「はぁ?上等だ!じゃあ俺が次勝ったら呼び捨てにしますよ!」

「良いだろう、キョウヘイが勝ったら俺はヒュウ君のことハリーセンって呼ぶわ!」

「ハリーセン!?」


「ヒュウ君!エンリー、一緒に居てもいい?」

「…なんで。」



通りがかりのヒュウとナルは下らないことで和気藹々と話し込んでいたが、丁度二人の間にエンリーは体を割り込ませ、さっきと同じようにヒュウの腕に抱き着く。
エンリーに対し好感度が底辺にあるヒュウは嫌そうな顔を隠さず尋ねた。



「実はぁ、メイちゃんにぃ謝りたくてぇ…でもぉなんて話しかけたらいいか分かんないからぁ、相談したくて…。」

「普通にゴメンでいいだろ。」

「な、なんかプレゼントとか持っていきたくてぇ趣味とか好みとか教えて?」

「………バトルの邪魔はしないでくれよ。」

「ありがとぉ!!ナルさぁんごめんなさぁい…。ヒュウと行動するねぇ?」

「お、おう」

『お幸せに〜』

「ゴンベバトルの時覚えとけ…」



メイへの謝罪を餌にエンリーはヒュウに付き添うことに成功し、期待した顔でナルを見ていた。
逆ハーを狙っている彼女からすれば二人でエンリーを取り合う図を夢見、早速叶いそうなイベント出会ったが取り合うどころか譲り合い擦り合い。

結局ヒュウが一応エンリーを理解しようとする大人だったため引き取る形になったが足取りが重かった。



「ご愁訴様」

『南無阿弥陀仏』

「まぁ…」















松岡修〇作戦(セリフうろ覚え)

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