感謝感激雨霰!

□night party!!
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クローラは落ちたナルを見てほくそ笑んだ。

これは男装した自分に相応しいイベントだと確信した。
やはり男装夢主というのは落ちキャラに勝るべき存在であるべきだが、クローラはナルにポケモンバトルで負けた。本当ならば自分が勝って悔しさのあまり付いて来るというイベントのはず。
何かイベントがあるはずと諦めずついて来てみたがまさかこんなイベントがあるとは。

つまりこのイベントは自分が勝った相手に助けられ惚れるというイベントに違いない。
そして色違いシャンデラを倒し手持ち入りにする。なんて完璧なイベントだ。

と、なるとこの女、モブがすごく邪魔だ。

ただのイベント発生役、案内役だけだと思うが、下手をすれば平凡気取りの可能性がある。要注意だ。



『ふぎゃー!!!誰だこんにゃく投げたの!!!』

「は、早く彼を助けましょう……!」



お化け屋敷然り、暗い墓場でゴーストタイプは二人と一匹をここぞとばかりに驚かせて遊ぼうとしているらしい。

さっさと元凶を捕えナルを救出し帰るため早足で階段をかけ降りた。

すると次の階にいたのは元凶の色違いシャンデラ。まるでフロアボスの様な佇まいで待ち受けていた。クローラは捕獲するのを元凶を成敗すると言う建前で隠しアブソルで対応しようとした。
が、色違いシャンデラは敵対心はないと言う様に手を挙げ顔を横に振った。



「ぐぐ?」

『え?通訳?シャンデラの?』



カゲボウズはリオの言葉に頷くとシャンデラを呼び寄せた。



『えーと?"実は良くある話、色違いで同種族にはぶられるは人間には追い回されるはで食料にありつけず、迷惑してそうなストラの周りをうろつく奴を食い殺してた。でもストラが嫌がるならやめる!"だそうです!』

「ほ、本当ですか……?」

『"勿論!だって……ボクは、ストラの手持ちになりたかったんだ!"だってぇ!!ストラ!やったじゃん!』

「え、えぇっ!でも、私、カゲボウズで精一杯で……!」



シャンデラはストラの周りを嬉しそうにくるくると回った。そしてチラリとクローラを見て少し距離を置いた。
そしてストラに衝撃。クローラがストラを思いっきり押し、後ろに空いていた穴に突き落とした。
因みに足元にいたリオもストラの足に絡み合い落ちる。


ぼちゃん


それはナルが落ちた時に無事だと思われた水音を自分たちが放った。浅からず深からず。溺れないし落下の衝撃を抑えてくれる水量に二人はすぐ水から這い出した。

そして探し人を見つけた。すっかり姿を変えてしまった、彼を……


彼、ナルの瞳は死んでいた、センスのいいアンティークチェアに縛られ。



『ナル!!!なんて……

酷い格好!!グロイよ!!!』

「うぁ…リオ……?」



グロイ、と言うのは勿論臓器が飛び出してるとかそういうものではない。

その格好と言うのはフリッフリのゴスロリ服を身にまとっていた。
先ほど対峙していたシャンデラが楽しそうにゴスロリの彼の周りをくるくると回って犯人ですと言いたげだ。

さすがの良心ストラもナルの姿を見て口を押さえ視線をそらした。


ナル、彼と言えばイケメンハンサム美青年柄にもかけない美しさその様な容姿を褒める言葉をかっさらう美貌を備えた彼だが男の娘ではない。
そしてポケモンの登場人物の様な細身の身体ではない。

彼はゴリゴリのガチムチである。首は太いし腕は軽く血管が浮いているし腹筋は八つに割れている。
そんなゴーリキーな彼がゴスロリを着ていたら?彼に似合うのはTDNアーマーくらいだろう。因みに冬のため彼は腕毛もすね毛もギャランドゥも処理していない。
張り裂けそうな胸の布。タンクトップのようになった袖。スカートから覗く太く逞しい足。チョーカーで隠しきれなかった喉仏。

書いておいてお腹いっぱいである。



「いやぁね……優しいシャンでラがね……濡れた服じゃ風邪引くってね……服貸してくれたのォ……」

「そ、そうなんですか……優しいぽ、ポケモンがいたんですね……」

『シャンデラ悪趣味すぎるよ……?』



シャンデラはクスクスと笑いナルの乾かされたふくをもってきた。そしてそれをステラに渡し、彼に促した。促されるままにストラはナルの手枷を外し始めた。



「あがふっ……!?」

『!?ストラさん!!!?』

「!?だれだ!」



「酷いなぁだれだ、なんてぇ」



手枷が外され次は足枷、という時にステラは何かに吹き飛ばされ数メートル先の壁に叩きつけられた。確認するとアブソルが自慢の角でストラの腹部を突き刺していた。

これこそグロイ。

ナルは自由になった両手で自ら足枷を外そうとし、リオもそれを手伝うと今度はリオがクローラに蹴飛ばされた。



「おいてめぇ!!!!」

「アンタを助けるのは俺なんだよ!!!」

「うグッ!」



ガタンと音を立てて椅子が後ろに倒される。そこにクローラは跨るように彼の肩を抑えて狂気のにじむ笑顔を浮かべた。また最初から捕まっててください。そう言って手枷をさせ直そうとする。

上の文だけ見ると萌展開なのかも知れないが残念ながらゴスロリガチムチゴーリキーが相手なのは忘れない様に。



「ぐ、う?」



手枷を片手だけつけた時、急にクローラは苦しみ出した。
そして暫くすると魂が抜けたように倒れそのまま起き上がることは無かった。



『これ、って……?』

「きゅう?」



さぁ?
シャンデラはそう言ってこの場の全員をポケモンセンターまでテレポートさせた。


ーーー……


「ねぇ、カゲボウズ?どこ?」



とある病室、一人のやつれた少女が何も無いところにそういった。



「私にはもうカゲボウズしかいないの。ねぇ、どこ?どこなのカゲボウズ……!カゲボウズ!!!!」



発狂する少女の前に二度とカゲボウズが現れることはなかった。


ーーー……


「いやな、事件だったね……。」

『二度とアンタの女装は見たくないよ』



あのゴスロリ服でポケモンセンターに飛ばされた時は死のうと思ったとガチの顔で言う。
心の広い方ばかりで助かったと思う反面、趣向の許容範囲の広い人らに撮影会されたときはアヘ顔ダブルピースを晒してやった。

クローラは心臓麻痺でお亡くなりになり、犯人である色違いシャンデラはまだ発見されてない。

事情調査の嵐に会い、疲労困憊の中逃げるように街を後にし草むらを歩いていると広い背中に二つの衝撃があった。

まさかな……

そう思いつつ鞄に手をいれる。まさか、ボールが2個無くなってるはずないよな……?




…………ーーーー



これが俺の実際にあった怖い話です……

そして、その、カゲボウズと色違いシャンデラが入ったボールがこちらです……。















(話を聞いてた主人公組は逃げ出した)
(二つのボールと交換機械を抱えたガチムチから)
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