感謝感激雨霰!

□night party!!
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あったかくなって来たので少し怖い話をしましょうか…。

それは俺がリオとその時付きまとっていた男装少女が観光感覚でタワーオブヘブンに来た時のお話です…。





「ナル!遅いぞー!」

「仏様が迷惑するから静かにしましょうねー。」

『男は辛いね』

「寅さんじゃねーよ」



階段の上から読んでるカジュアルな格好をした自身を俺という少女は一週間ほど前、ナルに勝負を挑み敗北してから勝手についてきた。
名前はクローラーという。

ナルは正直経験値集めに来ているのでトレーナーを無視して行くクローラーにかなりの時間差で追いついて階段を登り始めた当たりだ。

キャッー!!と言う少女の金切り声が聞こえた。旅をしてると何度も聞く慣れた金切り声にナルは勢い良くそちらに顔を向ける。
クローラーとナルの間、階段でもみ合ったのだろう一人の少女のやりきった顔、そして一人の少女は手すりを越え円形の螺旋階段から落下している所だった。

落下してる少女の手持ちなのかカゲボウズが泣きそうな表情で叫んでいる。誰もが少女が頭から落下し、最悪の事になるのを見守るしかない状況で一人だけ動けた者がいる。



『ナル…!!!』



それは神のイタズラで男体化してしまった上に身体能力が格段にはね上がったナルはその少女を追うように手すりを越え同じく姿を消した。
リオが最悪の事態に彼の名前を呼び、クローラーとリオは落ちただろう下を覗き見、息を呑む。



「へるぷみー…」

『どうなってんのそれ…』

「流石無事とはやるな!」



焦って確認してなかった二人は気づかなかったがナルは柵に足を引っ掛け、少女の腕を掴みサーカスのような状態で助かっていた。

そんなナルに夢中で、どう助けるかと試行錯誤中だったとき、忘れていた加害者の少女が唐突に悲鳴をあげ、ゆっくりと倒れていった。

勿論そこは階段で、前から倒れた加害者の少女は段差に顔を打ち付け跳ねるように階段から落ちていった。
先ほどの様に反射神経の良い者がいれば助かったのかもしれないが、そいつは今宙ぶらりんである。

加害者の少女は一番したに辿り着くと頭を中心に赤い水溜りを作り出した。
誰が一番に悲鳴を上げたのか、そんなことより俺の体が悲鳴をあげ始めたと思うナルだった。


ーーーー……


無事回収された宙ぶらりんだった二人はと連れ一人と一匹は事情聴取から免れることはなかった。
階段から落下した少女は死亡してしまったらしい。その少女はナルが助けた少女に因縁を付けているのが何度も目撃されており、犯人として疑われていた。とは言え宙ぶらりんだった状況で殺害は難しいとのことで疑いは晴れた。

晴れたのだがよほどショックだったのか静かに泣いてナルに慰められていた。



「うぅっ…!ひっく…」

『ぐぅ…(ストラ、元気出して…)』

「泣きたいのは巻き込まれた俺らなんだけどー?」

「まぁまぁ、流石に人の死はきついってー…」

「ぐすっ…すみま、せん、助けていただいたのにお礼も言わず…。」



まだ泣き終わったとは言えないが助けた少女は顔をあげて一同に謝罪と礼を言う。そして名前をステラと名乗り、唯一の手持ちだというカゲボウズを紹介した。
ステラはフキヨセシティに住んでいるらしく、亡くなったパートナーポケモンを思い、ほぼ毎日のようにタワーオブヘブンに通っているらしい。

なんでもステラは厄介な女の子、逆ハー狙いと言った嫌な女の子に絡まれやすいとか。初めて絡まれた時に出会ったのがこのカゲボウズで、助けてくれた上に手持ち入りを自ら勝手でてくれたらしい。…が、絡んでくる厄介な女の子は相次いで死を遂げていて今回は五人目だとか。

道理で周囲がステラを見てこそこそと話しているわけだ。



「それにはきっと裏があるに決まってるな。自分が周りに不幸にしてるとか思ってるんだろ?」

「ぅ…はいっ。でも、裏がある、とは…?」



自信があるのかクローラは腕組をしてドヤ顔。



「ジュンサーの話を聞くとみんな死んでるのはタワーオブヘブンで。そこにお前が特殊なモノを隠して殺してんだ!」

「こ、ころっ!?そんな事無いです!」

「まぁ、ステラちゃんがっとは言わないけど確かにタワーオブヘブンは怪しいね。」

『カゲボウズ、同じゴーストタイプとしてなんか知らない?』



リオがカゲボウズに聞くと話を振られて驚いたのかビクりと体をはねさせ、考えるように空中をくるくる回った。そしてなにか思い出したのか頷く仕草をした。


ーーー…


カゲボウズの案内のもと、タワーオブヘブンの人目につかない、ゲームにも漫画にもないような場所に案内された。



「まさかタワーオブヘブンに地下があったなんて…」

『まだ下があるみたい…』

『げぇー(おーい、シャンデラー)』



カゲボウズが一声、呼び掛けると呼ばれた主がなんの前ぶりも無くパッと現れた。それは呼んだ通りシャンデラで、ただそのシャンデラは普通の色とは違う、俗に言う色違いと言うものだった。

カゲボウズは現れたシャンデラに近付くと小声で何か言った後にくるくるお互いに周り出した。

そしてシャンでラは一同を見るとクスクス笑ってわざわざ階段を使って逃げていった。



『ぐげっ』

『元凶はシャンデラで、自分を捕まえられたらもう悪さしないって行ってたらしい!』

「ナル、追いかけるぞ!」

「ステラちゃん、着いてこれる?」

「は、はいぃ…!」



リオの通訳で色シャンデラを追いかけることになり、クローラは先頭を切り、ナルはその強力な腕力でリオを抱え、ステラを気遣いながら走り出す。
誰も知らないB2階とは言え人がいないだけで上と構造は大して変わっていなかった。

そしてクローラは罰当たりな事に墓石に手をつき乗り越え、手持ちのアブソルを繰り出した。おちょくっているシャンデラに攻撃の指示をするも当たらず逃げられてしまう。

あまり暴れないように注意を促そうとナルは一歩踏み出した。


バキッ


『バキッ…?』

「ぎっ…にぎゃああああああああぁぁぁぁぁaaaaーーーーー………」

「ナルーーー!!!!!」「ナルさぁぁあん!!!!」『ナルーーーー!!!!!!』



どうやら放置されて老朽化してたのと、アブソルが暴れた為、調度ナルが足を踏みしめた場所がぽっかりと穴を開け、長い落下をした。

同行者一同は彼の名前を読んで心配している。それからしばらくして、ドボンと水の音が聞こえ、落下死はしてない可能性が高くなり、安堵の息をこぼした。



「早く色違いシャンデラを捕まえてナルを助けようぜ!」

「はい!カゲボウズ、案内お願い…!」













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