*オリジナル
□小春日和
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春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
くぁ、と大きな欠伸がでた
今日は一対一の特別補講
今でちょうど90分たった
空には雲ひとつない青空
風がそよそよと吹き絶好のお昼寝日和
グランドからは陸上部の掛け声が聞こえてくる
「眠いのか?」
正面にいる神原先生が聞いてきた
そういう先生こそ目の下に隈を作っている。
「んーはい。」
笑いながら答えると
先生は
じゃあ、休憩とるか、と笑顔で言った
内心、やったぁと喜びながら
教科書を閉じ、寝る体制を整える
「十五分だけだからな」
そういって先生は教室を出ていった。
職員室でコーヒーでも飲むつもりだろう
いーちにーさーんしー
陸上部の声が子守唄のように聞こえ意識が遠退いていく
今日は絶好のお昼寝日和
空が青く風が心地よく吹き…
杜甫もこのような季節に漢詩をかいたのだろうか
春は心地よい、朝が開けたのにも
気付かず布団のなかでうとうとしてしまう